通天閣9月に再点灯決定 南側は電子看板に刷新 社長「全面LED化で情報発信ツールとして活用していきたい」
国の登録有形文化財で大阪を代表する観光スポットとして知られる通天閣(大阪市浪速区)と広告スポンサーと務める日立製作所は26日、9月22日に通天閣南側面に点灯する屋外広告をデジタルサイネージ(電子看板)に刷新すると発表した。昨年8月からライトアップを休止して全面塗り替えなどのリニューアル工事を行っており、通天閣観光の高井隆光社長は「全面LED化で情報発信ツールとしても活用していきたい」と話している。 【拡大画像】南側に移設された時計ビジョンでは、時計のほか気温などの表示も可能となる
通天閣は昨年8月1日から夜間のライトアップを休止して広告ネオンサインなどのリニューアル工事を開始。期間は13か月間とかなり大規模なものとなった。 通天閣観光によると、現在の2代目通天閣は1957年に建てられ、翌年から日立製作所が広告ネオンサインを掲載。以来、平均して5年から6年ごとにデザインをリニューアルし、今回で改修工事は14回目。通常なら改修工事は約半年程度だが、今回は外装の全面塗装も合わせて行うため時間を要したという。
屋外広告のリニューアルは、省エネ・長寿命により環境負荷が低いLEDを全面採用。日本国内や海外からの観光客などが多く歩いている南側の広告面には、高さ約32メートル、横3メートルのLEDサイネージビジョンを設置。同ビジョンは文字をスクロール表示できるため、文字数制限のない発信が可能となる。 サイネージビジョンは初めての設置で、タワー上部東側(天王寺動物園側)にあった「大時計」も南側に移動。昨年まで43年間タワー頭頂部で点灯していた「光の天気予報」を終了し、塔頂には円柱イルミネーションを設置した。
高井社長によると、通天閣は公道上の建築物のため、デジタルサイネージでの動きの激しいアニメーションなどの表示は制限されるが文字数の制限がなく、多言語での表示も可能となるため外国人観光客に向けた情報発信も可能となり、広告の役割に限らず地域の情報発信も行っていきたいという。