《時価総額1兆円超え企業の純利益が約10倍に!》西武ホールディングス、大幅上方修正のポイント 東京ガーデンテラス紀尾井町の売却で得る4000億円で株主還元も
石破政権の支持率が低迷し、政権運営の危うさが投資家からは不安材料と見られている。また、物価高や人手不足などを背景とした倒産件数も上昇している。一方、この状況においても好決算を発表している企業はどのようなものか。最新の決算をもとに、個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
* * * 歴史的な低支持率での船出をした石破政権は、10月の衆院選で大敗を喫し、政権運営の危うさが、投資環境にも影響があるのではないかという不安が持たれている。 経済環境を見ても、物価高や慢性的な人手不足が浮き彫りとなり、コロナ融資の返済を苦にした倒産件数も上昇している。また、日銀の政策を見ても利上げ局面であり、債務負担を抱えている企業にとっては逆風の環境となっている。 しかし、このような環境においても、大きな成長を遂げている企業がある。今回はそうした企業を紹介していきたい。
西武ホールディングス(9024)
西武ホールディングスは、東京・埼玉地盤の鉄道とプリンスホテル運営が主軸であり、野球球団、西武ライオンズの親会社としても一般認知を得ており、都内の大型不動産開発が活発である。 12月12日に同社は2025年3月期業績の売上、利益を従来の予想から、売上+81.8%、営業利益6.4倍、経常利益7.1倍、純利益3.2倍、EPS3.2倍という大幅な上方修正を発表した。足元の業績の動向に加え、手掛けている東京ガーデンテラス紀尾井町(東京・千代田区の旧赤坂プリンスホテル跡地)の売却にともない、公表数値を大きく上回る業績見通しとなった。また、この売却で得る4000億円の資金使途においては自社株買いや増配などの株主還元の実施も計画されていることが発表された。 それ以外にも同社の事業は多岐にわたる分野にまたがっており、ホテル・レジャー事業の営業収益は、国内ホテル業においてインバウンド需要の取り込みが堅調であり、公表していた数値を上回る見通しであること、都市交通・沿線事業の営業収益は、外出需要の取り込み等により運輸収入の上振れを見込んでいること、西武ライオンズをはじめとしたスポーツ事業も好調で、営業収益、営業利益とも、公表していた数値を上回る見通しであることが発表された。 これらの上方修正を受けて、通期業績の対前年比は売上高+88%、営業利益6.1倍、経常利益6.6倍、純利益9.9倍という大幅成長となり、過去最高業績を大きく上回る見通しとなった。時価総額1兆円を超える大企業がここまでの成長変化を見せることは珍しい。今後の同社の動きには引き続き注目していきたい。
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