泥沼開幕4連敗…鹿島アントラーズはなぜ勝てない?
レッズが放ったシュートもわずか4本で、そのうちのひとつをセットプレーからMFエヴェルトンに押し込まれた。レッズとしても決して褒められた試合内容ではないが大槻毅監督は胸を張った。 「お客さんが入った試合で鹿島に勝つ。内容に関してはいろいろと言われることが多々あると思いますが、結果として勝てたことが今日の収穫だと思っています」 強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い。黎明期からアントラーズが十八番としてきた勝者のメンタリティーを、目の前でレッズに実践された。敗者はどうか。指揮官は選手の判断力に解決策を求め、センターバックの犬飼智也は「ひとつ勝つことで自分たちがやっていることは間違いない、という自信を得られる」と、浮上するきっかけを得るための方策を結果に求めるしかなかった。 その結果を出すための具体策をチーム内で見出せないまま、18日の次節ではホームの県立カシマサッカースタジアムに王者の横浜F・マリノスを迎える。2012シーズンは最終的にクラブワーストの11位に終わった。秋口から勝負をかける当初の青写真が、長期中断の影響でさらに後ろ倒しされれば、J2への降格がなしになった特例に救われたシーズンだったと後に言われる事態を招きかねない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)