JOC山下泰裕会長が会見(全文1)各国選手団の84%が接種し始めている
競技以外でも日本代表にふさわしい誇りと自覚を
そんな中での大会になりますけども、日本の選手たちには率先して、プレイブックに記載された、ガイドラインにのっとった形で行動を心掛けてほしいと、こう思っております。強ければいい、速ければいい、うまければいいというのではない。やはり日本を代表するにふさわしい選手としての誇りと自覚を持って競技以外のところでも行動していただきたい。そのことだけは日本オリンピック委員会の会長として、特に日本の選手にはお願いしたいと、こう思っております。 海外からの観客を受け入れることができなくなりました。日本国民の皆さんには、自国の日本の選手だけではなく、世界中の選手たちに声援を送り、応援していただきたいと、こういうふうに思っております。まだまだコロナ禍が収束に向かわない、そういう状況の中で、特にワクチン接種が思うように進まない国ではたくさんの方々が非常に厳しい生活を強いられていると、こう思っております。東京に集った世界中のアスリート、このアスリートたちの活躍、頑張りが、それぞれの国の人たちに明るい話題を提供し、希望の光となる、そういうふうにぜひ世界から集う、日本に集うアスリート、頑張っていただきたいと、こういうふうに思ってます。 先ほども話がございましたけど、私自身、選手として、あるいは監督としてオリンピックにも何度も経験を積ませていただいております。その経験から言わせていただきますと、戦う相手は敵ではない。同じような目標に向かって頑張っているからこそお互いが理解できるし、尊敬できる。同じ高みを目指すライバルである。ですから、そういうライバルたちとはお互いに理解し合えるし、認め合える。私はそういうふうにずっと選手、監督を通して思ってきました。
約95%の日本選手団、関係者が接種を希望
そしてそんな思いを最も実感できるのがオリンピック・パラリンピックの舞台であると、私はこういうふうに思っております。7月23日の開会式まであと1カ月、もう切りました。コロナ感染拡大防止に十分留意しながら、最後まで気を引き締め、関係機関と連携して臨機応変に、柔軟に対応していきたいと、こういうふうに思っております。 ワクチンについて少し話をさせていただきます。IOCのほうから各国のNOCや大会関係者に向けましてワクチンの無償提供がされました。そして現在、各国において、各地域において、訪日予定の選手団の関係者の方々のワクチン接種が進んでおります。先日のIOCの委員と、IOCの意見交換会では、もうすでに各国選手団の84%がワクチンを接種し始めていると、こういうこともバッハ会長のほうから話がございました。IOCは、大会開催により日本国民に迷惑を掛けないということで、この計画を進めているというふうに聞いておりますし、ワクチン接種は義務ではないけども、多くの関係者の接種が進むことで、安心・安全の大会運営に大きく寄与できると、私自身もこういうふうに考えております。 日本選手団に関しましては6月1日にワクチン接種が開始されました。関係者1600名ぐらいが接種する予定でございます。これは選手や監督、コーチ以外にも、各選手団のスタッフとか練習パートナー、頻繁に選手たちと接する、そういう人たちにも提供されております。私も6月2日の日に1回目、接種をいたしました、そのメンバーの1人として。そして今週、2回目を、接種を受ける予定です。日本選手団、関係者では、約95%の日本選手団、関係者がワクチン接種を希望していると、こういうふうに聞いております。 当初は医療従事者あるいは高齢者の方々よりも優先してワクチンを接種する、そのことに対してためらう日本選手もかなりいました。しかしこれは別枠でIOCから提供されたものであり、ナショナルトレーニングセンターの医療スタッフ、それから各競技団体のチームドクター、こういうところが手分けして接種して、日本の医療機関への負担はないと。もう1つ言いますと、ワクチンを接種するのは、自分を守るだけじゃなくて周りの人を守ることにもなるんだと。こういうところの理解が進んで、選手たちが安心して打てる環境ができたと、こういうふうに思っています。 日本政府、NFをはじめ、多くの関係者の協力を得て、IOCの発表から数週間という短い期間の中でアスリートへの接種を開始することができたと。このことに関し、あらためて今回の趣旨をご理解いただいた方々に心から感謝申し上げたいと思っています。