”真の世界最強”称号獲得へ…井上尚弥が覚悟の渡米「人々を熱狂させる試合をする」
プロボクシングのWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(27、大橋)が18日、10月31日(日本時間11月1日)に米ラスベガスのMGMグランドの特別施設「ザ・バブル」で無観客で行われるジェイソン・マロニー(29、豪州)との防衛戦に向けて渡米した。現地では新型コロナの感染予防のため外出禁止などの制限はあるが「不安は何もない。ドネア戦のように見ている人を熱狂させる試合をする」と約束した。パウンド・フォー・パウンド2位のワシル・ロマチェンコ(32、ウクライナ)が4団体統一に失敗したため、試合内容次第では、現在3位の井上が入れ替わりでランクアップする可能性が出てきた。真の世界最強と認められる日が近づいている。
新型コロナ禍のラスベガス防衛戦に死角なし
新型コロナの影響で閑散としている空港に現れた井上は髪を王者の金色に染め上げていた。昨年5月に英国グラスゴーで戦ったWBSSの準決勝のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦には、行きつけの美容院の美容師さんに同行してもらい、現地で髪を整えたが、今回は、新型コロナの影響で同行人数にも制限がかけられており、これが勝負色。決戦を前に準備は万全である。 前日の土曜日に“超ホープ“松本圭佑を相手にスパーリングを打ち上げた。 「この試合に備えてということで数えるといつもより少ない」というが、当初、4月25日に予定していたWBO世界同級王者、ジョンリル・カシメロ(フィリピン)戦に向けてもスパーリングを積んでおり「トータルのスパーリング数そのものは多い」。 現地では、この日の便で同行した弟の拓真とマス程度のスパーリングで最終調整をするくらい。 「もう気持ちの面でも肉体的にも仕上がっている状態。割と日本ですべての調整をこなしてきたので、向こうに行ってからの2週間は、体の調子と気持ちによって練習の上げ下げはするけれど、あとは体重調整。コンディションはいつもどおり。コンディション調整に失敗したことがないので」 新型コロナ禍での海外防衛に死角なしだ。