横審委員務めた渡辺恒雄氏、貴乃花の横綱昇進より「巨人の優勝の方が大事」 ねぎらいも
19日に98歳で亡くなった読売新聞主筆の渡辺恒雄氏は、日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の委員を平成3年から17年まで務め、13年から2年間は委員長の大役を担った。 横審は6年秋場所、初の全勝優勝を果たした大関貴ノ花の横綱昇進を見送った。名古屋場所が11勝にとどまったため、待ったをかけた形となった。昇進賛成だった渡辺氏は「大関で二連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする」という横審の内規について、「2場所の成績だけで決めようとするのがおかしい」と持論を展開。当時、セ・リーグで巨人と中日の優勝争いが佳境を迎えていたことから、「それよりも巨人の優勝の方が大事だ」と言い放った。貴乃花に改名した九州場所も15戦全勝で、横綱昇進を諮った際は「審議一致。異論なしだ」と語った。 また横審は14年名古屋場所まで7場所連続休場した貴乃花に対し、内規にはない「出場」を勧告。当時、委員長だった渡辺氏は秋場所へ「横綱として進退を懸けて臨んでほしい」と厳命。「自信がないなら自ら(引退を)決してくれということだ」とした。8場所ぶりに復活した秋場所で12勝3敗の好成績だった横綱を、「よく頑張った。相撲界のためにも感謝」とねぎらっていた。