4団体統一失敗のロマチェンコが不可解判定に不服「私が勝った」…因縁勃発も23歳の新王者のロペスは再戦拒否
プロボクシングの世界ライト級の4団体統一戦が17日(日本時間18日)、ラスベガスのMGMグランドの特別施設「ザバブル」で行われ、WBA、WBC、WBOの3団体統一王者のワシル・ロマチェンコ(35、ウクライナ)が0-3の判定で初防衛戦だったIBF同級王者のテオフィモ・ロペス(23、アメリカ)に敗れるという大波乱が起きた。ロペスは最初から最後までアグレッシブに攻め、ロマチェンコは高度な技術でほとんど有効打はもらわなかったが、ジャッジはロペスの攻勢点を支持した模様。しかし一人のジャッジが「119-109」のほぼフルマークの不可解採点をつけたこともあり、試合後、ロマチェンコは、「私が勝っていた。スコアカードには同意しない」と激怒した。再戦の可能性も出てくる因縁決着となったが、ロペスは契約を盾に再戦を拒否した。リオ五輪代表でもあるロペスは16戦全勝(12KO)で最年少での史上5人目となる4団体制覇。一方のロマチェンコはプロ2戦目以来、6年ぶりの2敗目を喫した。
「新しい世代の王者だ!」
最終ラウンド。残り10秒でロペスはバッティングで左目の上を深く切った。ドクターチェックが入ったが、流血が止まらないまま殴り合ってゴング。互いの健闘を称え合ったのちにロマチェンコは無表情でコーナーへ下がり、ロペスは、無観客にもかかわらず、まるでそこにファンがいるかのようにコーナーに駆け上がり勝利をアピールした。 ロペスによると、このとき、2人は、こんな会話を交わしたという。 「あなたは素晴らしいファイター。試合をしてくれてありがとう。だが、私は自分がやりたかった仕事をしなければならなかった、と。彼には申し訳ないが、争いを起こしたくなくて、そう言ったが、彼はただ笑みを見せていただけだった」 ジャッジペーパーが読み上げられた。 「117-111」、「119-109」、「116-112」 3-0。しかも、一人は“準フルマーク“である。 両者共に相手に決定的なダメージを与えることはなかった。 ロペスはアグレッシブだったが、ほとんどのパンチをロマチェンコの高度なディフェンス技術で外され、逆にロマチェンコのスピードに乗った正確無比なコンビネーションブローは、数は少ないが確実にヒットしていた。次の瞬間、サプライズが起きた。勝者、ロペスがコールされたのである。 ロペス陣営は、お祭り騒ぎで新王者を担ぎあげた。ロペスは続けてリング中央で歓喜のバク宙を決め、両肩にWBCとWBOのベルトをかけWBA、IBFのベルトを腰に巻いた。 「パウンド・フォー・パウンドと言われる人間と試合をして、私がほとんどのラウンドを奪うことができた。私はファイターだ。戦うことに手を抜かない。判定であれ、スコアカードの内容がどうであれ私が勝ったんだ。私が真のチャンピオンであることに変わりはない。新しい世代のチャンピオンが生まれたことを覚えておいて欲しい」 ロペスは、そうまくしたてた。