56歳、無趣味だった私が「大型バイク」と出会い、新しい友人たちと私の新しい世界を作り始めるまで
楽しいから、どんどん前向きになっていく。素晴らしい仲間と出会えた
「免許を取ったら絶対すぐ乗りたくなるから、先に買っておいたほうがいいよ」とネットに書いてあったので、いろいろ見て回って、8月にはすでに250㏄のバイクを購入していました。その通りでした。9月に免許を取ったらすぐ乗れたので本当によかった。 ツーリング仲間も、免許を取る前、まだバイクを起こせない頃にもう見つけていました。アプリの「ジモティ」で「地元の人たちのツーリング仲間募集中」というのを見つけて、いろんなことを教えてもらえるかなと思って参加しました。これも大正解で、たとえば教習中に教官に受けた指摘がよくわからなかったとき、仲間に相談すると「こうしたほうがいいよ」とアドバイスをもらえました。 最初のツーリングは、いまでも鮮明に思い出します。長野県の北アルプス大橋。バイク乗りには有名な場所で、インスタにもよく写真が上がっています。4、5台の小さいグループで、緊張と嬉しさが入り混じりました。自分で走れる嬉しさ、後ろではなく自分で運転している喜び。転んだりしないかなと緊張しますが、景色はすごくきれいだし、本当に忘れられない。 このチームの、私の2歳下のボスがとても面倒見がよい人でした。チーム自体はできて5年くらいですが、みんな若いころから乗っていてお付き合いが長く、私の前にも同じように教わった人がいたようです。私がいちばん年齢が高くて下手くそなのでいろいろ教えてくれました。「乗ることがいちばんの練習」とマンツーマンで何度もつきあってくれて、「教習所と公道は危険度が全然違う」「こういうことが危ないと体感しないと覚えられない」「ブレーキのかけかたひとつでも教習所とは違う」と丁寧に。平日はそうしてほんの少しの距離でも練習して、土曜、日曜のたびに仲間と遠出をしました。 ちなみに、このボスに現在の事務の仕事に誘っていただきました。「経営している会社の事務員を増量したいけど、パソコンできる?」と聞かれて、「普通のことはできます」と言ったら、きてもらえないかと。私は10年ほど、前夫のお姑さんのご紹介で介護施設で働いていましたが、更年期がやっぱりひどくって、夜勤がしんどくなってきて。無理かな、辞めようかどうしようかと迷ったときに声をかけていただけたので、よいご縁をいただいたなと思っています。 ここまでの前編では、とうこさんが中型免許を取得するまでを伺いました。このあとの【後編】では、中型バイクで「物足りなさ」を感じるようになったその理由と、その後の大きなトライを伺います。 *編集部注・中型免許は125㏄からとのご指摘を受け訂正しました。ありがとうございます。また、「普通自動二輪免許」とせず中型と記載しているのは記事中の理解のしやすさとご解釈ください。
オトナサローネ編集部 井一美穂