ガンジス川でご遺体が…ダウン症のある娘とともにインドで体感した「生と死」
待望の第一子を産んだ直後に、ダウン症と知らされたフリーアナウンサーの長谷部真奈見さん。出産当初は娘がダウン症である事実を受け入れることができず、誰にも明かせないまま、自殺を考えるほど思いつめた時期もあったという。そして、現在長谷部さんは、15歳になった娘さんや家族との楽しい日々をブログなどで積極的に発信している。 【画像】インドのガンジス川上流で、家族で涙した忘れられない風景とは? そんな長谷部さんにこの春大きな転機があった。娘さんの中学卒業を機に、娘さんと夫と3人で世界一周の旅に出た。ダウン症のある娘とともに、見た世界とは。今回は「インド」に向かった長谷部さん一家の姿を前後編でお届けする。前編では、あらゆる意味でカルチャーショックを受けたというガンジス川での出来事をお伝えする。
想像を超えていた、インドの人々の多さ
バンコク(タイ)から飛行機で4時間半、インドの首都ニューデリーにあるインディラ・ガンディー国際空港に到着。そのまま私たちは国内線への乗り継ぎまで、空港で7時間もの時間を過ごした。早速、空港のラウンジですら多くの人で溢れかえる光景に、さすが世界最多と言われるインドの人口の多さを実感した。 乗り継ぎ便を待つ間、大人でも疲れが出てしまうところだが、娘は、文句も言わず、淡々と自分のスーツケースを自分で運び、ラウンジに着くや、タブレットとイヤホンを取り出し、「YouTube見てていいよね?」と嬉しそうにニヤニヤ顔で聞いてくる。娘にとって、日本の日常と同じ好きな動画や音楽を旅先でも楽しめることは一種の安定剤だ。「仕方ないなあ、良いよ」と答えつつ、いつも通り娘らしい笑顔を見せてくれたことにホッと安堵。今まで何度か娘と旅をしてきたが、随分と楽になったなあと、改めて娘の成長をありがたいと感じた。 目的地は、インド最大の宗教都市「バラナシ」。 インド北東部にあるこの場所は、ヒンズー教の聖地であり、聖なるガンジス川を崇める人たちで溢れる地。夫の夢であったこの世界一周旅行におけるひとつ目のハイライトだった。