海外を沸かせる日本関連の映像作品:第2の『SHOGUN 将軍』は生まれるか?
2025年も続く日本を舞台にした作品
うれしいことに、2025年も海外監督の作品で日本を見られそうだ。その1つは、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン主演、ベニー・サフディ監督の『The Smashing Machine』(原題)。また、ティモシー・シャラメ主演、ジョシュ・サフディ監督(ベニーの兄)の『Marty Supreme』(原題)もある。 『The Smashing Machine』は既に撮り終えており、製作会社A24のトップエグゼクティブは、「ドウェイン・ジョンソンが日本の街を歩く映像はすごくフレッシュ。観客に見てもらうのが待ちきれない」と語る(注:A24への取材では、同社関係者からコメントを得た場合、相手の名前を出してはいけないとのルールがある。筆者もその条件を了承して話を聞いた)。 「どちらの映画も、監督が日本でのロケを強く望んだ。別の場所で日本を完全に再現するのは無理。確かにお金はかかるけれども、米国のメジャーな映画にあまり出てくる光景ではないし、やる価値はある」とも、同エクゼクティブは話す。 A24のように日本を舞台にした作品を現地で撮影しようと考える海外のプロデューサーやスタジオは、今後も増えていくのではないかと筆者は感じている。24年は、その始まりの年なのかもしれない。そうした作品の中から第2の『SHOGUN 将軍』が生まれるか、注目される。
【Profile】
猿渡 由紀 映画ジャーナリスト。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。ロサンゼルスを拠点に、ハリウッドスター、映画監督へのインタビューや、撮影現場レポート、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」などの雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。