海外を沸かせる日本関連の映像作品:第2の『SHOGUN 将軍』は生まれるか?
一方、25年のアカデミー賞国際長編映画部門にアイスランドからエントリーされている『TOUCH/タッチ』(日本公開は25年1月24日)は、同国出身の作家オラフ・オラフソンがパンデミックの最中に書いた小説が原作だ。舞台はアイスランド、ロンドン、日本で、Koki, 、本木雅弘、中村雅俊などが出演する。 オラフソンはかつてソニーのゲーム部門で米国トップを務め、家庭用ゲーム機「プレイステーション」の発売に携わった人物。1980~90年代に頻繁に日本を訪れており、この物語のテーマとなる被爆者の体験についても、その頃に知ったとのこと。つい最近になってようやくその話を書いたら、ハリウッドでも活躍する同郷のバルタザール・コルマウクル監督(『エベレスト 3D』『ビースト』)の目に留まり、すぐ映画化となった。 これらは以前から日本をよく知る外国人によって最近書かれた作品が、別の外国人クリエイター、アーティストを共感させ、国境を越えて観客の心に響いたものだ。
『ロード・オブ・ザ・リング』新作は日本のアニメ監督を起用
さらに日本のエンタメから影響を受けたハリウッド作品として、12月13日世界公開の『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』がある(日本公開は12月27日)。 ワーナー傘下のニューライン・シネマが製作し、同シリーズ三部作と『ホビット』の脚本家を務めたフィリッパ・ボウエンがプロデュースするアニメ映画だが、監督には『攻殻機動隊S.A.C』『東のエデン』などを手掛けた神山健治を起用し、あえて日本アニメのスタイルを追求した。 ボウエンは、先にストーリーがあり、それをアニメでやろうと決めたのではなく、『ロード・オブ・ザ・リング』をアニメでやったらどうかという声を聞いて、このストーリーを思いついたと明かしている。「そんなふうに、逆の順番で始まった」と話す彼女は、「日本が持つ素晴らしいアニメの伝統にぴったりくるものが、この物語にはある」とも述べた。 確かにアニメは現代日本文化が誇る最も大きなもので、世界にも多くのファンがいる。このようなコラボレーションがこれからもあれば、日本のクリエイターの活動の場は広がるだろう。