「なんで言ってやれなかったんだろう」天龍源一郎74歳が語る亡き妻への後悔 #老いる社会
自分も相撲からプロレスに転向して、アメリカ修業時代にいろいろ感じたんですよ。居場所のない感覚も味わったし、差別の風当たりも強いし、今やってることがこの先にどう結びつくのかも分からないし。 ただ、そのときに、自分で自分に言い聞かせていたのが「必ず、誰かがどこかで見てくれている」という言葉だったんです。そうでもしないと自分を保てないのもあったんだけど、時間が経つにつれ、本当にその言葉の通りだとも思ったしね。 だから、若いヤツとか、何か困ってそうなヤツは何とかしたくなるし、そういう言葉もかけてきました。めげてるヤツがいたら何とか力をつけてやりたいし、飲みにも行くしね。 今はビールをちょこっと飲むくらいになったけど、昔はムチャクチャだったから(笑)。みんなにしこたま飲ませて、頑張ってやるんだよと鼓舞したり、これでもか、これでもかとおごったりして、オレ自身も楽しい時間を過ごさせてもらった。 ただ、あのとき、あんな飲み方をせず、人のことだけじゃなく自分のことも考えて、100円でも200円でも残しとけば(笑)、もうちょっといい今があったかなとも思うんだけどね。 でも、やっぱり、今こうして、この年になって「楽しかった」って言える。自分の人生に満足してる。その言葉を言える時点で、悪い人生じゃなかったなとつくづく思います。
---------------------------------- 天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう) 1950年2月2日生まれ。福井県出身。本名・嶋田源一郎。13歳で大相撲の二所ノ関部屋に入門。四股名・天龍として前頭筆頭まで番付を上げるが、76年に廃業。同年、全日本プロレスに入団。ジャイアント馬場、アントニオ猪木からピンフォールを奪った唯一の日本人レスラーとなる。2015年、オカダ・カズチカと引退試合を行い、格闘技人生に終止符を打った。引退後はタレント活動を行い、多岐にわたって引っ張りだこになる。定期的にプロレスの興行も開催。11月には3大会にわたるトーナメント戦「龍魂杯2024」を開催。15日にはベースメントモンスター王子で、17日と23日には新木場1stRINGで行われる。
「#老いる社会」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。2025年、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となります。また、さまざまなインフラが老朽化し、仕組みが制度疲労を起こすなど、日本社会全体が「老い」に向かっています。生じる課題にどう立ち向かえばよいのか、解説や事例を通じ、ユーザーとともに考えます。