3代目となるホンダ新型「フリード」公道試乗、変わらない本質と進化した点とは?販売好調の理由に迫る
■大幅に改善されたプラットフォーム 車両の土台であるプラットフォームは、2代目である従来型をベースに大幅に改良した。その従来型は全般的にソフトな乗り味であり、速度域が低い走行状態であれば上質で快適だったが、車速が上がる高速道路や多人数乗車では不安定な姿勢になることもあった。具体的には、カーブでのロール(車体の傾き)量が大きく、ステアリングを丁寧に切り込んでいっても一定の舵角から同乗者の身体が外にもっていかれてしまう、そんな印象を抱くことが多かった。
新型はここが一転。サスペンションのうちバネの形状と配置を変更してタイヤがスムースに動くように設計し直した。それに応じてダンパーの減衰特性を決めるバルブに応答性に優れたブローオフバルブを採用して最適化した。加えて、電動パワーステアリングの操舵角度を認識する分解能を高めて、ドライバーの細やかなステアリング操作をしっかり認識するように改良を加えた。 結果、走行環境を問わず大幅に乗り心地が良くなった。また、ステアリングのフィールが良くなったことで車体の動きがゆったり上質になり、サスペンションでグッと支えるためロール量だけでなく上下動も抑えられた。よってカーブや高速道路でも終始安定。今回は筆者1人乗りの状態に加えて、大人4人での走行テストも行ったが、多人数乗車でも1人乗りと変わらない安定感を保ちつつ上質さを失わなかった。
■e:HEVらしい走りだが車重が少し気になるかも!? e:HEVの駆動用電動モーターは、最高出力123PS、最大トルク25.8kgf・mを発揮する。主に発電を受け持つ直列4気筒1.5Lエンジンは106PS/13.0kgf・mだ。対して試乗モデルの車両重量は1560kg。正直なところ、筆者1人乗りの状態であっても絶対的な動力性能として若干の物足りなさを感じた。細かくみていくと、アクセルペダルの踏み方にして最大30%程度の領域ではまったく不足ない走りっぷりが実感でき、電動モーターの強みである淀みないトルクで一体感の高い走りが楽しめた。