3代目となるホンダ新型「フリード」公道試乗、変わらない本質と進化した点とは?販売好調の理由に迫る
※現状、地図表示の主画面は、撮影画像のようにモニター表示部の上が情報表示用としてあてがわれている。 ラゲッジルームは広大だ。後輪ホイールハウスやサスペンションの張り出しがとても小さく大きな荷物が積み込みやすい。3列目シートは両側に跳ね上げるタイプだがシート形状を新設計とし全体を薄型化したので、ルームミラー越しの後方視界をほぼ妨げなくなった。 車いすやアウトドアグッズの収納に便利な「スロープ」グレードには車内引き込み用の電動ウインチが付く。この電動モーターは軽ミニバン「N-BOX」の電動スライドドア用モーターで左右に2つ装備され、たとえば車いすを車内に引き込む際に重宝する。スイッチひとつで左右のモーターが自動的に同期するのでまっすぐに引き込めるなど利便性も高かった。
■先進安全装備も充実 先進安全技術群である「Honda SENSING」は多機能なだけでなく、精度も向上。制御のきめ細かさを示す指標であるステアリングの操舵角度では0.5度単位という徹底ぶり。とりわけ車線維持支援システム「LKAS」では、前述した電動パワーステアリングの分解能を高めたこととの相乗効果で人の操作フィールに寄り添う制御内容へと進化した。 たとえばLKAS稼働時、前方のカーブ曲率は車載の光学式カメラで読み取るわけだが、認識したカーブ曲率をトレースする制御が非常に細かい。あたかもベテランドライバーが操舵するように手前からじんわりとステアリング操舵アシストを開始するし、戻す際も遅れがない。だから結果的にいつシステムによる操舵アシストが介入し、そして弱まったのか意識することがないのでドライバーとしてもシステムに対する過信を抱きにくい。
こうした細やかな制御は自動化レベル3技術を有する「Honda SENSING Elite」(2021年「レジェンド」に世界初搭載)を開発する段階で得られた知見から誕生したというが、フリードをはじめ、この先のホンダ各車にも導入されるという。いずれにしろシステムへの信頼感は大きく向上した。 試乗モデルの燃費数値はカタログ値(WLTC値の総合)で21.3km/L。数値そのものでは競合他車がこれを上まわる部分もあるが、フリードは実用燃費数値が良好だ。筆者のテストでは18~19㎞/L台を記録した。残念ながら試乗はできなかったが、フリードにはガソリンモデルとして直列4気筒1.5L(118PS/14.5kgf・m)がある。トランスミッションはCVTでe:HEV同様にFFと4WDをラインナップする。