「親会社のトヨタとも連携していきたい」日野自動車会見8月2日(全文6)
排ガス、燃費は流出すると分かりにくい
あともう1つございまして、排ガス、燃費というのは認証試験で不正が行われて流出してしまうと、なかなか市場で分かりにくい部分もあります。それも今回のように新車ではなくて耐久、劣化していったときに規制値を上回るといったような部分についてはなかなか分かりません。一方で安全品質といったものは市場のサービスとか修理履歴、現実には無償保証期間中に部品が壊れる場合もゼロではありません。やはりこの修理の状況等をしっかり見ながら安全に関わる品質に対してはしっかり見ておりますし、傾向的な不具合があった場合には省庁に、これは日本にかかわらず対応しておりますので、そういった観点からすると安全につきましては、さまざまな面で安全性が確認できていると思います。 ただ、今回いただいた調査委員会報告の中では、やはり開発から量産の品質に移るところでもっと管理をきちっとすべきではないのか、強化が必要というふうにご指摘いただいておりますので、この点をさらに織り込んで、いわゆる耐久信頼性、安全という面でよりお客さまに安心していただけるように、さらなるレベルアップを進めたいと思っております。 輸送経済:ありがとうございます。 司会1:それでは一番後ろの方、お願いいたします。
規制強化が不正につながった可能性は
ニッポン放送:ニッポン放送、畑中と申しますが、ちょっと角度を変えて伺います。これまでE6の規制のときから行うようになったというようなお話がございました。E6からE9までの規制、排ガスの強化がなされております。記憶が正しければ、このE7新長期規制は諸般の事情によって確か規制の時期が前倒しされた、2年ほど前倒しされたというように記憶しております。もちろんこれは、環境問題ですとか健康問題にも絡んでくることですので、他社もやっている中、言い訳でしかありませんし、こういった規制、基準、達成できなければそういったメーカーは淘汰されていくしかないものかと思います。 ただ、こういった規制の強化が、例えば現場の大きな負荷につながって今回のような大きな話になっていったのかどうか、そういうことは考えられないのか。現場の方からはそういった声が聞かれなかったのかというのを知りたいところです。 加えて、ディーゼルエンジンに関しましては、これ乗用車ですが、数年前にもディーゼルゲート事件というのが海外でございました。こういった規制強化がなされている中で、こういった問題が起きている。ディーゼルエンジンの将来性というのは、いったいどうなっていくんだろうかなというのが、ちょっと気になるところです。この2点お聞かせください。 小木曽:実際、E6が2003年からの規制、E7、2005年、E8、2009年、E9、2016年ということで、リードタイム、短いということは時期的に言えると思います。これはまた冒頭のご質問に対する長い回答に戻ってしまうんですけど、規制とかハードルが高いということと、やはり不正をしてしまうということは別にしなければいけないんだと思います。 やはり、これからの自動車というものはトラック、バス、まさにカーボンニュートラルに与える影響も大きいですし、乗用車も同じだと思いますので、どんどんクリーンにCO2を減らしていくというチャレンジはやはり必要だと思います。これを安心してチャレンジする、安全にチャレンジする、こういったことが大切ですので、確かにE7のスケジューリングと不正にはなんらかの、因果関係と言うと不適切だと思いますので、なんか相互作用はあるかもしれませんが、かといって不正をしない、チャレンジはする、結果に対しては正しい評価と対応をするといったことが、やはりポイントなんではないかと思っております。あまり説明になっていないんですけれども、やはりそういった背景が基に不正をするよりは、これにミートできないという事実を明らかにしていくということが、特にこれからの製造業では問われていく姿勢なんではないかと。 【書き起こし】日野自動車会見8月2日 全文7に続く