負傷離脱の久保建英抜きで森保JはW杯アジア最終予選”10月シリーズ”のサウジ、豪州戦を戦えるのか?
日本は10月7日に敵地でサウジアラビア代表と、同12日には埼玉スタジアムでオーストラリア代表と対戦する。ともに9月シリーズで連勝発進していたグループBのライバルであり、キャプテンのDF吉田麻也(33・サンプドリア)は「前半戦のカギになる」と、4位からの巻き返しを目指す上での正念場になると位置づけていた。 市立吹田サッカースタジアムでオマーン代表と対峙した9月2日の初戦で、日本は一敗地にまみれた。スコアこそ0-1だったが、決定的なチャンスをほとんど作れないまま、過去に一度も負けていなかったオマーンに試合内容でも完敗を喫した。 舞台を中立地のカタール・ドーハに移し、日本時間8日未明に行われた中国代表との第2戦。選手の実績とチーム内の序列を重視し、メンバーを固定して戦う傾向が強い森保一監督は、オマーン戦から先発陣を4人変えて何とか1-0で勝利した。 ただ、4人のうち2人は移籍した関係でオマーン戦へ向けた帰国を見合わせたDF冨安健洋(22・アーセナル)と、オーバーワークが考慮されて戦線離脱したDF酒井宏樹(31・浦和レッズ)に代わるDF室屋成(27・ハノーファー96)だった。 つまり、本当の意味での先発入れ替えは2人だけであり、その1人がオマーン戦で精彩を欠いた鎌田大地(25・フランクフルト)に代わってトップ下を務めた久保だった。 東京五輪世代を中心にした陣容で臨んだ2019年の南米選手権の2試合を除けば、A代表戦で初めてフル出場した久保はピッチ上での違いと攻撃面の変化を日本にもたらし、A代表デビューから3年目にしてようやく序列を上向きに転じさせた。 その後もマジョルカで先発出場を続けるなど、さらなる成長が期待されていた久保だけではない。中国戦で久保とともに先発に抜擢された、古橋亨梧(26・セルティック)が後半開始早々に負傷退場。スコットランドリーグでまだ復帰を果たせていない。 加えて、中国戦でFW大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)の決勝ゴールをアシストした、右サイドハーフの伊東純也(28・ヘンク)もサウジアラビア戦では累積警告で出場停止となる。大事な一戦を前に中盤2列目の全員を入れ替える作業が必要になった。 森保監督の選手起用に照らし合わせれば、トップ下には鎌田が復帰する。オマーン戦では精彩を欠いた大迫に引きずられるように、ボールを思うように収められないまま存在感を失っていった。所属するフランクフルトもブンデスリーガ1部の下位にあえぐ苦境が続くなかで、コンディションをどこまで取り戻しているのかがカギを握る。 左太ももの違和感でオマーン戦をリザーブで終え、直後に離脱したMF南野拓実(26・リバプール)が、日本時間22日のノーウィッチ・シティとのリーグカップ3回戦で今シーズンの公式戦で初出場。2ゴールをあげた活躍は明るい材料となる。