横浜F・マリノスが公式に“指笛問題”を否定もネットは再炎上…残った問題点とは?
主審の笛と聞き間違える音を発生させ、試合進行を妨害したとされる問題の渦中にある横浜F・マリノスが23日、公式サイト上で発表した声明で疑惑を否定した。 黒澤良二代表取締役社長名で「笛系音による、試合妨害行為について」と題された声明のなかでは、指笛を吹いたとされるケヴィン・マスカット監督へ事実を二度確認し、その上で「該当する行為を行っていない」とする回答を得たと報告した。 さらに問題とされている18日の名古屋グランパスとの明治安田生命J1リーグ第29節に関して、さまざまな映像を確認・解析し、ベンチ周辺のチーム内スタッフへの聞き取りも行ったと公表。目撃者の確認に至っていないとする現状も合わせて発表された。 迅速な対応は評価できるが、選手たちの動きを滞らせる音が鳴った事象がある以上は、クラブの内部調査だけでは限界があるのも事実。ネット上を中心としたマリノスへの批判は収まらず、Jリーグを含めた第三者機関の調査を求める声も相次いでいる。
マスカット監督からは「該当する行為を行っていない」の回答
試合中から波紋を広げた指笛疑惑が、名古屋戦以外にもマリノスが絡んだ試合で発生していたと示す動画の投稿などを介して、SNS上で一気に拡散されてから2日。内部調査を基にした経過報告を中心とする声明を、マリノスが公式サイト上で発表した。 声明は黒澤社長名で「笛系音による、試合妨害行為について」と題され、主審の笛と聞き間違えられた音の発生源とみなされているマスカット監督に対して、20日と21日の二度にわたって事実を確認。名古屋戦以外の配信映像でも聞こえる紛らわしい音について、自身へ向けられている疑惑を同監督が全面的に否定したとまず報告した。 「両日ともマスカット監督から、当該試合以外を含めて『該当する行為を行っていない』旨の回答を得ました。なお、21日の練習後にリモートによる定例監督合同取材に臨んでおり、その場で同様の見解を示しています」 問題の場面は、名古屋が1-0でマリノスをリードしていた前半26分に訪れた。 自陣からの縦パスに反応した、名古屋のFWシュヴィルツォクが左タッチライン際を抜け出した直後に、主審の笛にも似た音が豊田スタジアムのピッチに響いた。 オフサイドだと受け止めて一瞬足を止めたのは、両手を広げて「違う」と抗議したシュヴィルツォクだけではなかった。味方のフォワード陣やマリノスのディフェンダー陣もプレーを滞らせ、実況アナウンサーも最初はオフサイドだと受け止め、直後に「いや、フラッグは上がっていません」と訂正するほど紛らわしい音だった。 当然ながらプレーはそのまま継続されたが、名古屋が発動したカウンターは不発に終わった。このとき、マッシモ・フィッカデンティ監督をはじめとする名古屋ベンチは、マリノスベンチを指さしながら第4審判へ激しく詰め寄っていた。