浴槽のあふれるお湯で「2000年以上にわたる原理」を発見…!喜びで「思わず裸のまま街に飛び出した逸話」も2000年以上残ってしまった天才の実名
ユリイカ! ユリイカ!
アルキメデスがこの難問を解決するヒントを得たのは、入浴中に彼が浴槽に身体を沈め、浴槽の水面が高くなることに気づいたときだった。 王冠を水に沈めれば、同じ体積分だけ水面が上昇し、その体積を容易に測ることができると考えたのである。王冠の体積がわかれば、密度は簡単に求まる。 リンゴが木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を思いついたニュートンといい、浴槽に浸かって「アルキメデスの原理」を思いついたアルキメデスといい、歴史に名前を遺(のこ)す人物はやはり常人とは違う。木から落ちるリンゴを見た人や、浴槽の湯を溢れさせた人は、私自身も含め無数にいたはずなのに。 難問を解決したアルキメデスは狂喜のあまり、そのまま全裸で浴室を飛び出して「ユリイカ! ユリイカ!(わかった! わかった!)」と叫びながら、シラクサの町中をストリーキングしたといわれる。
14金と純金、「見た目」だけで区別がつきますか?
金に銀や銅を混ぜる合金の技術は、当時すでに知られていた。金を主成分とする合金は、他の金属をかなりたくさん混ぜたあとでも十分に豪華な金色を呈している。 たとえば、純金は24金とよばれるが、装飾によく使われるのは純度58パーセントの14金である。14金には42パーセントもの“混ぜもの”が含まれているわけであるが、十分に金色であるのは周知のとおりであり、見た目だけでは純金との区別がほとんどつかない。 はたしてヒエロン2世の黄金の王冠を製作した金細工職人に、“ごまかし”はあったのか。 アルキメデスによる発見のおかげで、確認作業は簡単に行われ、王冠には銀が混ぜられていることが発覚した。そして、不正直な金細工職人は早速、裁判にかけられて処刑されたという。 アルキメデスは、シラクサでたくさんのものを発明しているが、その多くは当時、幾多の戦に直面していたヒエロン2世の要請に応じた兵器に関係するものである。人類史が明瞭に示しているように、いつの時代においても、結果的に、戦争が技術の飛躍的発展をもたらすのである。 * * * 続いては、「世界最古のコンピュータ」。20世紀最初の年、すなわち1901年に沈没船から回収された「謎の機械」の正体についての開示をお届けしましょう。 古代日本の超技術〈新装改訂版〉 古代世界の超技術〈改訂新版〉
志村 史夫(ノースカロライナ州立大学終身教授(Tenured Professor))
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