PIKO(ピコ)が築いた波:平成の一大ブームから次なるステージへ
そのなかで、本来のハワイのスピリットを持つPIKOのデザインも、今後は展開していきたいという。現在もKevinとWadeがデザインするグラフィックには、ハワイの魅力だけではなく、環境保全やボランティア精神を感じることができる。 海だけではなく、ダイヤモンドヘッドやハワイの大自然をモチーフとしたグラフィックもスタイリッシュなデザインだ。
「ハワイには、調和を意味する『ポノ』という考え方があります。これが、彼らの中で一番大切にしている思いです。平成の時代にPIKOは、たしかにすごく盛り上がりました。 しかし今は平成ではないし、ハワイと私たちの距離感も少しずつ変わってきたように感じています。そのなかで、どういうふうにハワイ的な価値観を今のPIKOに反映させていくか…ということを考えていますね」
「サステナブル」や「SDGs」というワードが生まれ、Z世代といった若い人たちの中にも環境への意識が広まってきている世の中は、たしかに平成の頃とは異なる。 世の中の変化とともに、またPIKOと時代の歯車が噛み合ってきたようだ。 「平成の時代を越えて、令和のPIKOという意味では、今はちょうどいいタイミングかもしれません。『ポノ』という考え方と、特に今後の世界を担っていくZ世代が持つ優しさを合わせて、今後はそういう自然に対する優しさを大切にして、我々も取り組んでいきたいです」 平成ブームとともに、リバイバルが注目される時代に突入した。 アパレルとのコラボレーションでも注目されているPIKOだが、ただ懐かしいという思いだけではなく、この機会に改めてPIKOについて知ってほしい思いがあるという。 「当時、PIKOを着用していた人たちは、現在も親しみを持って自分の思い出としてPIKOを懐かしんでくれています。それは、とてもうれしい限りです。 本来のブランドのスピリットと乖離した部分があったとしても、日本でのPIKOのブームの全てを否定してしまうと、みんなの思い出が消えてしまう。 しかし一方で、実はPIKOにはハワイや自然を愛するフィロソフィーがあって、今の時代にも通ずるような信念があるブランドだというのを、改めて知ってほしいですね」