PIKO(ピコ)が築いた波:平成の一大ブームから次なるステージへ
サーフブランドの代表格でもある「PIKO(ピコ)」。読者はPIKOというブランドにどのようなイメージがあるだろう? 世代によって、PIKOに抱くイメージもさまざまかもしれないが、共通していえるのは、90年代後半から2000年代初めにかけて、「PIKO」というブランドが大ブレイクしたということだ。 サーフィンが趣味でなくとも、PIKOはそのインパクトのあるロゴとともに、世代を問わず人気になった。ここ最近では、アーティストのあいみょんが着用して、話題になったのも記憶に新しい。 しかし、PIKOが本来どのようなメッセージ性を持っているブランドかということは、意外にもあまり知られていない。平成に大ブームを起こし、近年再び注目されているPIKOは、一体どんなブランドなのか。 今回はPIKOのライセンスビジネスに20年以上携わる、株式会社海援隊の方々にお話を伺った。
改めて紐解く、PIKOの歴史とブランドメッセージ
PIKOは、1994年に誕生したブランドだ。 フォトグラファーのKevin Kamakuraは友人のグラフィックデザイナーWade Morisatoとともに、ハワイの魅力を発信するブランドとしてPIKOを立ち上げた。 KevinがPIKOに思いを込めたのは、一般的なサーフブランドとは違い、ハワイの文化を多くの人に知ってもらうためだった。その思いをPIKOに託したのだ。 ハワイのソウルフードであるタロイモをはじめ、古代遺跡のペトログリフ、移動手段でもあったカヌーなどをモチーフとして起用し、ハワイ伝統のタパファブリックも研究しながらデザインを展開していった。 PIKOの象徴であるロゴには「へそ」の意味がある。 「このロゴには、『へそ』を通じてハワイの先祖と繋がるためのツールのような意味があります。親と繋がっている『へその緒』と同じく、ハワイの先祖とも繋がっているという神聖な意味で、ハワイ語で『へそ』を意味する『PIKO』というブランド名をつけています。 ですので、本来のPIKOはハワイや自然と共存するというメッセージ性をグラフィックに落とし込んでいるブランドなんです」