プロ初ゴールのセレッソ17歳“超新星ワンダーボーイ”北野颯太の何がどう凄いのか…あの元日本代表も絶賛
ガンバ大阪のホーム、パナソニックスタジアム吹田に乗り込んだルヴァンカップのグループステージ初戦では先発。階段を駆け上がり始めた北野は、2日後の25日に来年の卒業を待たずしてプロ契約を結び、クラブを通じて初々しい声を弾ませている。 「小学4年生のときからいままでお世話になった、セレッソ大阪という大好きなクラブでプロのキャリアをスタートできることをすごく嬉しく思います。桜のエンブレムの誇りを持ってセレッソのために戦います」 そして、プロとしての初陣だった京都戦で後半12分から投入された北野は、前述したようにあわやの場面を作った。反省の弁の一方でこんな言葉も残している。 「早い段階、次の試合でチャンスがあれば、まずは1点取って自信をつけたい。1点を取れば自信もついて、どんどん取れると思っています」 まさに有言実行と言っていい17歳の超新星を、元日本代表MFの中村憲剛氏(41)は、DAZNで配信中の『やべっちスタジアム』の最新回(2月27日)に出演した際に、今シーズンにおいて注目するJリーガーの一人としてあげている。 日本サッカー協会のロールモデルコーチとして指導した、U-17日本代表候補合宿からその存在が目に留まっていたという北野に、中村氏はこう言及していた。 「テクニックがあるし、アイディアも創造性もある。ディフェンスも上手くてタフ。けっこう心臓というかメンタルも強い。こういう子がいるんだと、ドキドキ、ワクワクするような選手ですよね。この後、コンスタントに経験を積んでいくと、けっこう面白い存在になるかもしれない。みなさんもちょっと覚えておいてほしい」 テクニックと俊敏性を併せもつプレースタイルから“ネクスト香川真司”と呼ばれ、プロ初ゴールをあげた直後からネット上では“桜のワンダーボーイ”と命名された。 17歳の誕生日にリバプールとプロ契約を結び、その後の大活躍から“ワンダーボーイ”と呼ばれた、元イングランド代表FWマイケル・オーウェンにちなんだものだろう。 実際、北野が放つ存在感を小菊監督もこう表現したことがある。 「少ないプレー時間でもファン・サポーターを興奮させ、ワクワクさせるプレーができるのは、本当に素晴らしい才能だと思っている」 もっとも、高まる周囲の期待を感じながらも、北野本人はしっかりと地に足をつけている。今後への手応えを鹿島戦後に問われると、こんな言葉を残している。 「すごく自信がついたので、またすぐリーグ戦もありますし、そこへ向けてしっかりとコンディションを整えていきたい」 2種登録から13日の間に経験したJ1デビューやルヴァンカップ先発、プロ契約、そして初ゴールもすべては通過点。FC東京をホームのヨドコウ桜スタジアムに迎える6日のJ1リーグ第3節も然り。初ゴールさえ取れればどんどん――と予告していたホープは公式戦で2勝2分けと無敗を続けるセレッソのなかで、存在感をどんどん増していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)