プロ初ゴールのセレッソ17歳“超新星ワンダーボーイ”北野颯太の何がどう凄いのか…あの元日本代表も絶賛
前半開始1分にFW上門知樹(24)のスルーパスに抜け出しながら、沖の素早い飛び出しの前にシュートを止められた。その5分後にも鈴木のパスを受けて中央をドリブルで突破したが、左足から放たれたシュートはまたもや沖に阻止された。 1-1で引き分けた2月26日の京都サンガF.C.との明治安田生命J1リーグ第2節でも、後半アディショナルタイムにカウンターを発動。相手選手2人を置き去りにしてシュートを放つも、京都GK上福元直人(32)のスーパーセーブに遭っていた。 ヒーローになり損ねた京都戦後に、北野はこんな言葉を残していた。 「テクニックやスピードは通用する部分があると感じていますけど、最後の点を取るところはずっと自分の課題にしてきた部分でした。プロになってさらにそれを感じています。1点を取る重みがプロはひと味違う、と」 中3日で迎えた鹿島戦でまたもや同じ課題が顔をのぞかせたからこそ、指揮官も練習あるのみだと心のなかでつぶやいた。しかし、北野は下を向くどころか、ミスを帳消しに、いや、倍返しにしてやるとばかりに強靱なメンタル力を見せつけた。 苦笑いを会心の笑顔に変えた小菊監督が、目を細めながら続ける。 「非常に難しいシュートを決めたあたりに彼の才能とポテンシャルの高さを感じます。もっともっとトレーニングを積んで、セレッソを引っ張る存在になっていってほしい」 和歌山県で生まれ育った北野は、小学校4年生からセレッソのスクールに通い始め、中学進学と同時にセレッソ大阪U-15に加入。高校年代のセレッソ大阪U-18に昇格した2020シーズンにはトップチームに2種登録され、セレッソ大阪U-23の一員として明治安田生命J3リーグで8試合、計164分間にわたってプロの舞台にも立った。 3年生への進級を控えた今年2月18日にも再び2種登録され、セレッソ大阪U-18に所属したままトップチームの公式戦に出られる状況になった。しかし、セレッソは昨シーズンの段階で、U-23チームをJ3リーグから撤退させている。 実は今回の2種登録の目的は、武者修行よりもはるか上の次元にあった。 一夜明けた同19日に敵地・日産スタジアムで行われた、横浜F・マリノスとのJ1リーグ開幕戦で残り10分から途中出場。後半終了間際に2-2に追いついた試合後に、小菊監督は「流れを大きく変えてくれた」と北野を高く評価した。