SUPER GT第6戦プレビュー 前戦延期後の一戦 SUGOならではの混戦に!?
攻略が難しいこのSUGOだが、第5戦鈴鹿が延期されたことを受け、変更された予選方式が初めて導入される一戦となる。前回のプレビューで変更点をかいつまんで記したが、今シーズンの開幕戦以降、予選Q1およびQ2、さらに決勝スタートまで1セットで走行しなければならなかったルールが変更され、結果的に各予選セッションでニュータイヤ装着が可能となった。つまり、各ドライバーは思う存分ニュータイヤのメリットを引き出す形でアタックに挑むことができる。
一方で、GT300クラスは改定された予選方式が、吉と出るか凶と出るか。これまでQ1では参戦車両を2組に分けていたが、改定によって全27台での出走となる。コースコンディションにおける公平性を高めるための見直し策だが、SUGO特有の短く、狭いコースで各車がどうアプローチしてくるのか。初となる20分間のQ1セッションでの”泣き笑い”も気になる。
決勝は、開幕戦以来となる300kmレース。第5戦が開催されていたら、シーズン最大のサクセスウェイトで臨む一戦になっていたのだが、今回は第4戦終了時点のポイントによるウェイトが適用される。よって、従来より平均的に軽い状態で走行するクルマが多くなる。たとえば、昨シーズンのSUGO戦を前にランキングトップのNiterra MOTUL Zは98kg、同2位のau TOM'S GR Supraは90kgだったが、今大会におけるランキングトップのau TOM'S GR Supraは82kg。決して数値だけで推測できるものではないが、アップダウンの激しいSUGOだけに、例年よりラクな”足かせ”で走ることができるのであれば、攻防戦もいっそう盛り上がりそうだ。
なお、サクセスウェイト搭載に伴う燃料流量リストリクターの調整だが、GT500クラスはランキング上位6台がその対象となっており、現時点でau TOM’S GR Supraとランキング2位のSTANLEY CIVIC TYPE R-GTが”2リスダウン”と言われる通常より2ランク小さい口径のリストリクターを、残る4台が1ランク小さいものを使用することになる。一方、GT300クラスでは、サクセスウェイトが上限の50kgを超えるクルマは6台。混戦模様の上位陣が本来の速さを存分に発揮することが難しいなか、予選で好タイムをマークして一気に表彰台を狙おうとする中団チームの活躍にも注目したい。