ラリージャパンで無許可車両が検問強行突破でコース侵入 WRC取材歴30年のラリージャーナリスト「明らかに妨害が目的…人をあやめる犯罪行為」と糾弾
◇23日 世界ラリー選手権最終戦ラリージャパン第3日(SS10~16、愛知県豊田市、岐阜県恵那市など) 23日のラリージャパン3日目に岐阜県恵那市内に設けられた競技区間「SS12」で無許可のワゴン車がコースに進入し、競技の進行を妨げた問題について、WRC取材歴30年のモータースポーツジャーナリスト、古賀敬介さんが侵入した人物を糾弾した。 大会実行委員会によると、ワゴン車は警備スタッフ5人の制止を振り切って検問を突破し、スタート地点を塞いだとしており、「制止を振り切って入ったということは、間違えて入ってしまったのではなく、明らかに妨害行為を目的としている。もし競技車両に正面衝突したら(競技者も侵入者も)死んでしまうこともある。人をあやめる犯罪行為でしかない」と強く非難した。 侵入者については岐阜県警恵那署が事情を聴いたもようだが、現時点で身元は公表されておらず、SNSなどインターネット上では環境活動家を名乗る人物ではないかとの一部指摘もある。古賀さんは「フィンランドやオーストラリアでもラリーを反対する団体はある。もしラリーに反対する環境団体関連の人間がしたのであれば、別のやり方ですべきことでは」と嘆いた。 大会関係者などによると、侵入したのは男性で、運転していたワゴン車は県外ナンバーだった。事案が発生したのは23日午前10時半過ぎ。SS12の競技中に警備員を含む現場のスタッフ5人の制止を振り切ってコースに侵入した。そのまま逆走し、スタート地点の手前で前を塞ぐ形で停車。コース外への移動にも応じず競技の進行を妨げたことからSSは途中でキャンセルとなった。 実行委は現場を管轄する岐阜県警恵那署に被害届を提出する方針で、競技を妨げたことから悪質と判断した場合は損害賠償訴訟も辞さない構え。ラリージャパンでは2022年大会に一般車がコースに侵入し、競技車両とあわや衝突の緊急事態に直面したことはあるが、古賀さんは「今年のオーガナイズは素晴らしい。過去の教訓を踏まえ、私がコースを下見していた段階からスタッフの方が厳重に現場で警備をされていた。主催者は責められない」と持論を展開し、「最も損失を受けたのはラリーを見に来られたファンだとみる。主催者は訴訟をすべきだと思う」と厳罰を求めた。
中日スポーツ