GM、『キャデラックF1チーム』2026年からフルワークス参戦決定!11番目のチームは2016年以来、アメリカのF1人気を加速
ラスベガスGPの2日後の2024年11月25日、F1は、ゼネラルモーターズ(GM)/キャデラックの参戦を承認したと発表した。2026年からF1グリッドに11番目のチームとして迎え入れる支援をすることでGMと基本合意に達した。 ●【2024年F1チャンピオンシップ・ランキング】熾烈な戦いは続く!最新のコンストラクターズ選手権のポイント差は?第22戦F1ラスベガスGP終了後 F1に10チーム以上が参戦するのは2016年以来初めてのことだ。2016年からアメリカのチーム「ハース」が参戦し、この年まで「マノー・レーシングチーム(旧ヴァージン、マルシャ、マノー・マルシャ)」が参戦していた。 ■アンドレッティでの参戦は却下されていた これまでアメリカのレーシングチームであるアンドレッティ・グローバル主導で進めてきたプロジェクトは、FIA(国際自動車連盟)の後押しはあったものの、2024年1月にフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)に却下されていた。その後も商業的評価と決定に従って参戦の可能性について対話を続けてきた。 その後、アンドレッティが議員に掛け合い、政治問題まで発展。アメリカの司法省は、主にヨーロッパのチームを競争から守るためにアメリカのチームを締め出したとの疑惑を受け、独占禁止法違反の疑いでリバティ・メディアの捜査を開始していたが、この調査は終了することになりそうだ。 ■フルワークス『キャデラック・F1チーム』10年内に自社製造へ こうした動きから、F1は今年に入って運営上の大きな節目を達成したとし、11番目のチームとしてGM/キャデラックをブランド化するというコミットメントを明確にした。 その結果、GMが車両とパワーユニットの両方を製造するという約束を追加し、「フルワークス」チームの『キャデラック・F1チーム』としたことでF1参戦が実現した。 またGMは「10年後までに」独自のF1車両とパワーユニットを製造することも明らかにした。 ■アンドレッティはTWGグローバルへ そして、アンドレッティはその名前を削除し、現在アンドレッティ・グローバルを管理している『TWGグローバル』をGMのパートナーにすることを発表した。 『TWGグローバル』は、GMとのキャデラック F1パートナーシップに加え、アンドレッティ・グローバル、Wayne Taylor Racing、Spire Motorsportsを所有、運営している。 F1参入に向け、当初の申請を指揮してきたマリオ・アンドレッティの息子マイケル・アンドレッティは、今回の新たな取り組みでは脇に追いやられることとなった。 投資家のダン・タウリスがアンドレッティ・グローバルの指揮権を引き継ぎ、監督することになる。 ■マーク・ロイス(ゼネラルモーターズ社長) GMのマーク・ロイス社長は次のように述べた。 「モータースポーツの頂点であるF1は、限界を押し広げる革新と卓越性を要求します。ゼネラルモーターズとキャデラックにとって、世界最高峰のレースシリーズに参加できることは名誉であり、私たちは情熱と誠実さを持って競い合い、世界中のレースファンのためにこのスポーツを高めていくことに尽力しています」 「これは、GMのエンジニアリングの専門知識とテクノロジーのリーダーシップをまったく新しいレベルで示すための世界的な舞台です」 ■ダン・タウリス(TWGグローバル、CEO) また、TWGグローバルのモータースポーツ事業CEOのダン・タウリスはこう述べた。 「ゼネラルモーターズと提携して、F1にダイナミックな存在感をもたらすことに興奮しています」 「私たちは力を合わせて、アメリカの革新を体現し、世界中のレースファンに忘れられない瞬間を届ける世界クラスのチームを編成します。FIAとFOMが私たちの申請をサポートし、私たちがチャンピオンシップにもたらす価値を認めてくれたことに感謝します。」 ■マリオ・アンドレッティがチームの取締役に就任 また、アメリカ人として最後のF1チャンピオンであるマリオ・アンドレッティがチームの取締役を務める。 「私の最初の愛はF1でした。そして70年経った今でも、F1パドックは私にとって幸せな場所です。キャデラック、F1、マーク・ウォルター(アメリカの実業家)、ダン・タウリスと共に、本当に興奮しています」 「人生のこの段階でまだ関わっているなんて、夢を見ているのではないと自分自身をつねって確かめなければなりません。」 ■グレッグ・マフェイ(リバティ・メディア社長兼CEO) リバティ・メディアの社長兼CEO、グレッグ・マフェイは次のように述べた。 「F1がアメリカで成長を続けるという計画のもと、我々は常に、GM/キャデラックのような印象的なUSブランドをグリッドに迎え入れ、将来のパワーユニットサプライヤーとしてGMを迎え入れることは、このスポーツにさらなる価値と関心をもたらすものと信じてきました」 「ゼネラルモーターズとパートナー企業のリーダーシップにより、F1参戦に向けた準備が大幅に進展したと考えています。GM/キャデラックチームが2026年の選手権に参戦するための申請プロセスを進めることを楽しみにしています。」 ■ステファノ・ドメニカリ(F1社長兼CEO) F1社長兼CEOのステファノ・ドメニカリが次のように語った。 「ゼネラルモーターズとキャデラックのこのプロジェクトへのコミットメントは、我々のスポーツの進化を示す重要な前向きな姿勢です。我々は、この取り組みの進歩と成長を楽しみにしています。関係者全員の全面的な協力と支援を確信しています。」 ■モハメド・ベン・スレイエム(FIA会長) 「ゼネラルモーターズは巨大なグローバルブランドで、OEMの世界では強力な企業であり、素晴らしいパートナーと協力しています。 私は、FIA、フォーミュラ1、GM、そしてチームが対話を維持し、2026年のFIAフォーミュラ1世界選手権にゼネラルモーターズ/キャデラックブランドのチームをグリッドに参戦させるための申請を進めるために、この原則合意という結果に向けて取り組んでいる努力を全面的に支持しています。FIAを含むすべての当事者は、このプロセスが円滑に進むよう、引き続き協力していきます。」