正月に水下痢が止まらない! 女性医師を襲った「ノロウイルス」 食べたものへの後悔と反省
■朝からお腹が さて、その翌日のことです。朝からお腹の調子がなんだか張っているようで、「変だな…」と思っていたら、昼頃から急にお腹が痛くなり、水っぽい下痢に襲われたのです。 もともと、食後30分もしないうちの下痢に襲われることはあったのですが、その時は下痢を数回すればスッキリします。しかし、今回は食後すぐではなく、翌日に生じたのです。その上、お腹が張ってゴロゴロし、胃がムカムカ・キリキリするようなのが続き、水下痢が止まりません。合計で20回はトイレに駆け込んだと思います。最後は、お尻が痛くなり、排便するのも辛いほどでした。 念の為、夫にも確認すると、夫も同じようなタイミングで同じように下痢に見舞われていたことがわかりました。「こんなに下痢をしたのは、初めてだよ」と嘆くほどひどかったようで、下痢と腹痛に眠れなかったそうです。幸い、ふたりとも下痢は1日ほどで治りましたが、私は下痢がおさまった後も、2日ほど胃のキリキリ感と食欲の低下が続きました。 「きっと、昨日食べた生牡蠣だ」 ふたりとも同じタイミングで下痢を発症していること、昨日食べたもので共通しているものが生かきであることから、生牡蠣に含まれていたノロウイルスよる胃腸炎である可能性があると考えました。 実は、市販されている生食用の牡蠣には、ノロウイルスが含まれていることが過去の報告からわかっています。例えば、病原微生物検出情報(IASR) によると、2002年の12月から03年の3月に市販生食用の牡蠣の13%[※1] からノロウイルスが検出されたとい、大阪市立環境科学研究所の10年の報告によると、国産市販生食用の牡蠣の19.1%[※2] からノロウイルスが検出されたといいます。 ■症例をたくさん診てきたのに 外来診療でも寒い冬の時期になると増える疾患の一つに、ノロウイルスよる胃腸炎があります。そして多くの方が、昨日もしくは数日前に自宅やレストランで「生牡蠣を食べた」とおっしゃるのです。 そんな症例をたくさん診てきたのにもかかわらず、父からは「牡蠣はしっかり火を通さないといけない」と昔散々聞かされていたのに、先日はどうしてか無性に「オイスターが食べたい!」と夫も私も思ってしまったのでした。