森保ジャパンはW杯最終予選11月シリーズでGリーグ4位の危機を抜け出すことができるのか…指揮官が明かした構想とは?
当時の日本を率いていた岡田武史監督は、大会開幕直前にシステムを[4-2-3-1]から[4-3-3]に変更。低空飛行が続いていたチームを鮮やかに蘇生させ、2度目の決勝トーナメント進出へ導いた軌跡を「実はイメージしていた」と明かした。 「守備のときに[4-5-1]に変わる部分を含めて、攻守両面でより連携できるところだけでなく、サイドの守備のケアも岡田さんはすごく考えられていた。アジアで勝っていき、その先の世界でも勝っていくためのポイントだと私も考えていたので」 岡田監督は中盤の底にアンカーとして阿部勇樹を、その前方にインサイドハーフとして遠藤保仁と長谷部誠を配置。前線の真ん中に本田圭佑を抜擢し、左右の大久保嘉人、松井大輔が攻守両面でハードワークする戦い方を選択した。 オーストラリア戦へ向けて森保監督が送り出した布陣も、アンカーに遠藤航(28・シュツットガルト)、インサイドハーフにはともに今最終予選で初先発となる守田英正(26・サンタ・クララ)と田中を配置。前線には左から南野拓実(26・リバプール)、大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)、伊東純也(28・ヘンク)を並べた。 中村俊輔や岡崎慎司をリザーブに回した11年前と同様に、ボランチで起用し続けた柴崎岳(29・レガネス)をベンチに下げ、チーム内の序列を覆した決断をへての勝利に、試合後には岡田氏から祝福するメールが届いたと森保監督は明かした。 「プレッシャーをはねのけてよく勝った、よかった、おめでとうと。これからも応援している、という言葉もいただきました」 過去に岡田氏しか達成していない、日本人監督によるアジア最終予選突破へ。来年3月末まで続く残り6試合で、まだまだ予断を許さない戦いが続く。 特にベトナム、オマーン両代表とともに敵地で対戦する11月シリーズは、前者には現状でプラスマイナスゼロの得失点差を考えれば可能な限りの大量得点で勝利。その上で後者にはホームで対戦した9月2日の初戦で苦杯をなめさせられた借りを返さなければ、すでに点滅している黄信号が限りなく赤色に近づく非常事態を迎える。