早大が近大を圧倒 HO佐藤健次主将の3トライなど8トライ 2大会ぶりの準決勝進出/大学選手権
ラグビー全国大学選手権準々決勝(21日、早大53-10近大、秩父宮)関東対抗戦を制した早大は、HO佐藤健次主将(4年)の3トライなどで近大(関西3位)を53-10で下し、2大会ぶりの準決勝進出を果たした。準決勝は来年1月2日に東京・国立競技場で開催され、相手は22日の大東大-京産大の勝者となる。 3大会ぶりに全国の舞台に登場した近大の青ジャージーを、早大はがっちりと受け止めた。佐藤主将のハットトリックなど攻めては8トライ。今季著しい成長を見せる防御も機能して相手を2トライに抑え、2大会ぶりの4強入りを果たした。 「勝てたことはよかったと思うが…」。ただ、さらに上を目指す佐藤の言葉は、煮え切らない。「相手の22メートル以内に入る機会は多かったのに、ラインアウトでのミスやハンドリングミス、風が強いのにそれを考慮しないプレーも多かった」と渋い顔で振り返った。 対抗戦3位だった昨季は準々決勝で関西王者の京産大と対戦し、28-65で完敗した。佐藤は早大での過去を振り返るとき、「こんなはずではなかった」と話したことがあったが、この敗戦もそう言わせた要因の一つ。今季は大田尾竜彦監督(42)ら指導陣と、1月からスクラムや、タックルなど体をぶつけ合う練習を繰り返し、早大らしい速い展開ラグビーを支える下地をつくった。 この日は、日本代表FB矢崎由高(2年)をコンディション管理のため休ませた。代わりにFBに入った植木太一や、強い風下でもロングキックを見せたSO服部亮太、強い足腰で2トライを決めたWTB田中健想ら〝新しい血〟のルーキーたちが躍動した。 準決勝の相手は、22日の大東大-京産大の勝者。佐藤は「もう一度、チャレンジャーとしての気持ちをつくる。準決勝を知る3、4年生で厳しく言い続けたい」。5季ぶりの頂点へのラストスパートに入る。(田中浩)