【ABC特集】「元の身体に戻して」終わりの見えない健康被害…小林製薬“紅麹サプリ”問題 補償の実態は
機能性表示食品に関する国のガイドラインには「万が一健康被害が発生した際には急速に発生が拡大するおそれが考えられる。入手した情報が不十分であったとしても、速やかに報告することが適当である」と記されています。 阿部医師は、公表の遅れですぐに摂取を中止できなかったことが重症化につながったとみています。 (阿部医師)「通常は3ヵ月以内に戻るのが薬剤性の腎障害の特徴なんですけど、慢性腎臓病に移行してしまっている方が多いと思います」
青かび混入の真相は…現場はどこまで把握?
厚生労働省は9月、健康被害の原因について青かびが作り出す物質「プベルル酸」で、ほぼ確定したと明らかにしました。 動物実験で強い毒性があることがわかったプベルル酸は、小林製薬の大阪工場で去年4月から10月までに作られた紅麹原料から見つかったとされています。 小林製薬は当初から、工場の衛生管理がずさんだったのではないかとの指摘に、こう主張していました。 (製造本部 山下健司本部長)「衛生管理の確認でございますが、品質管理者、安全管理者が定期的に巡回することで確認していたという状況でございます」「(Q.製造現場は青かびの混入原因についてどう語っている?)特に異常はなかったと聞いております」
しかし、外部の弁護士で構成された事実検証委員会が7月にまとめた調査報告書には、小林製薬の主張をくつがえす内容が書かれていました。 「紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青かびが付着していたことがあり、そのことを品質管理の担当者に伝えたところ『青かびはある程度は混じることがある』と言われた」と証言する人がいたというのです。
8月の決算会見の場で、「青かびの混入を容認していたのか?」とメディアから問われた社長らは・・・ (山根聡社長)「我々にとっても驚き。事実であったときには真摯に向き合わなければならない」 (山下本部長)「会社で詳細の調査を進めている状況でございまして、いつのことであったか等々の詳細なことは判明していないので、お答えできない状況」 青かび混入の真相は、いまも語られていません。