【ABC特集】「元の身体に戻して」終わりの見えない健康被害…小林製薬“紅麹サプリ”問題 補償の実態は
被害者救済の弁護団結成も…小林製薬の補償対応に不信感
先月、全国で初となる被害者救済の弁護団が立ち上がりました。「補償が充分にされるか心配だ」などという相談が、すでに50件以上寄せられているそうです。 弁護団は、補償を受けるまでの道のりの険しさを指摘します。 (菅聡一郎弁護士)「一般論として、飲んだこと自体を立証することができるかというところから問題になるのがこの食品被害全般なので、厳密にすべて立証してみせろというような訴訟対応をされるならば、被害者を困らせてしまうかもしれません」
小林製薬は8月から補償の受付を開始していますが、ホームページの案内には、医療費の支払いや慰謝料などについて「当社所定の手続きに従って」と記されているのみで、手続きの詳細は明らかにされていません。 ABCテレビが小林製薬に対して詳細を公表する考えがあるか問い合わせたところ「個別の事情に照らして対応しているので、開示は予定していない」と文書で回答がありました。
健康被害を訴える関西在住のAさんと夫は、小林製薬の一方的な対応に憤りを覚えていました。 (Aさん)「この紙切れ1枚で、補償を開始します。詳しくはホームページに載っていますのでご覧ください、みたいな、それだけなんですよ」 (Aさんの夫)「普通、電話で謝罪なり、直接被害者のもとに赴いて『すみませんでした』の一言くらいあってもいいと思うんです。それもゼロです。妻が苦しんでいるのをずっと見てきていたから憤りが隠せへん」 Aさんは小林製薬との話し合いを進めていません。
腎機能は回復しないまま…Aさんがいま求めることは
この日は、月に1度の通院日。厳しい食事制限のおかげか、症状は悪化していませんでしたが、回復もしていませんでした。 主治医はAさんの腎機能について、100点満点中35点だといいます。 (Aさん)「いずれ治るのか、一生付き合っていかないといけないのでしょうか」 (主治医)「横ばいになってきている印象です。おそらくは慢性というかたちでずっと付き合っていくことになるのかなという推測です。いまある35点の腎機能を守っていくのが目標になります」 Aさんがいま、小林製薬に求めることは・・・ (Aさん)「できることなら元の身体に、元の生活に戻していただきたい。これが一番の願いですけど、もう無理じゃないですか。だったら本当に誠実に対応していただきたい」 (『newsおかえり』2024年11月1日放送分より)