【ABC特集】「元の身体に戻して」終わりの見えない健康被害…小林製薬“紅麹サプリ”問題 補償の実態は
ことし3月に発覚した小林製薬の紅麹サプリによる健康被害の問題。半年以上経ったいまも、被害にあった人たちは回復することのない自分自身と向き合っています。 そして、補償の実態についても新たな事実が取材で分かってきました。
紅麹サプリを飲んでいた50代女性 腎臓が機能不全に
小林製薬の紅麹サプリメントを飲んで健康被害にあったという女性が先月、夫とともにABCテレビの取材に応じました。 (Aさん)「大企業だし、小林製薬さんなら安心かなと思って選びました。入院する日まで飲み続けていました」 関西で暮らす50代のAさん。コレステロール値を下げたいと去年4月から紅麹サプリを通販で定期購入。 飲み続けていたところ、去年12月半ばごろから、倦怠感と吐き気に悩まされ始めたといいます。 (Aさん)「最初は二日酔いって思ったんですよ。動くのもしんどいし、吐き気があるんで全然食欲もないんですよね」
症状は日に日に悪化。体を動かすのもままならなくなり、1月下旬に病院へ。 血液検査で、体内の老廃物にあたる「クレアチニン」の値が異常であることがわかり、緊急入院となりました。 「クレアチニン」の正常値は0.85以下とされていますが、このときのAさんの値は3.71。入院の2か月ほど前に受けた人間ドックの結果は0.88だったことから考えても「急変」であることがわかります。 (Aさんの夫)「もう血の気引きますよね、身内としては。僕ら子どもいないので。家では2人だけなんで」 詳しい検査の結果、腎臓が炎症を起こし、機能不全に陥っていることがわかりました。 (Aさん)「『薬害による腎臓病』って言われて『何か薬を服用していませんでしたか』と言われたんですね。薬なんて全く飲んでなかったし、先生も首をかしげておられた」
薬の副作用に食事制限…長く苦しい闘病生活
退院後に待っていたのは、長く苦しい闘病生活。炎症を抑えるために服用するステロイド薬の副作用に悩まされます。 (Aさん)「足のむくみとかね、顔がもうパンパンでっていうのが何ヵ月も続いたり」 (Aさんの夫)「むくみもそうですし、視力の低下。もともと眼鏡かけていたんですけど、その眼鏡がもう合わない。感染症にかかりやすくなっているので、マスクはいまだに必需品」