なぜ八村塁は「ダンクとスリーポイントだけと言われた」NBA若手オールスターで存在感を見せつけることができたのか?
「バスケットボールの神様」と呼ばれるマイケル・ジョーダンがかつてプレーしたNBAシカゴ・ブルズの本拠地ユナイテッドセンター。ここで14日から16日まで行われたNBAオールスターウィークエンドの先頭を切り、14日に「ライジング・スターズ」が行われた 。将来が期待される1、2年目の選手によるオールスターゲームだ。 その選手紹介で、「日本人としてはじめてライジングスターズに選ばれたワシントン・ウィザーズのルイ・ハチムラ!」というアナウンスが流れると、八村塁は誇らしげに右手を上げて応えた。 その日の朝の練習後、八村は「日本人初として出ることをすごく嬉しく思っていますし、誇りに思います」と声を弾ませていた。 それも当然のことだ。このオールスターは、1、2年目の選手の中から各チームのアシスタントコーチ(1チームにつき1投票)の投票で選ばれた20人だけがプレーできるのだ。 アメリカ出身選手で構成される「アメリカチーム」とアメリカ以外の国で生まれた選手で構成する「ワールドチーム」の戦い。そのワールドチームのメンバーに日本人選手の八村が名を連ねた。 昨年のドラフトで八村は1巡目全体の9位で指名されたが、のちに故障した選手との入れ替えでメンバー入りしたドラフトトップ指名のザイオン・ウィリアムソンを入れても、八村よりも早く指名された8選手の中でライジングスターズに選ばれたのはドラフト1位から3位の3選手だけ。4位から8位までの5選手を飛ばして八村が選出されている。 昨年12月16日のデトロイト・ピストンズ戦で、右鼠径部打撲による故障を負い、23試合に欠場したものの、今月3日のウォリアーズ戦で大方の予想よりもずっと早い復帰を果たし、いきなり11得点と二ケタ得点して8リバウンドも奪うと、復帰3試合目のメンフィス・グリズリーズ戦では12得点、11リバウンドと二つのカテゴリーで二ケタを記録する“ダブルダブル”を達成するなど、1か月以上戦列を離れたのが嘘のような活躍ぶりで、オールスター・ブレイクまでの5試合で1試合平均13.6得点、6.8リバウンドを記録した。 ワールドチームのヘッドコーチを務めたエイドリアン・グリフィン(昨季の王者トロント・ラプターズのアシスタントコーチ)は八村について「ルーキーとして素晴らしいスタートを切った。成長過程の真っただ中で故障により一時プレーするチャンスを失ってしまったが(復帰後のプレーを見ても)彼が特別な選手だということは明らか」と話した。