透き通る琥珀色の調味料「白しょうゆ」 愛知・西三河の隠れた逸品の魅力とは?
手軽に使え、食材の色、味わいを引き立てる
料理に使うと、しょうゆが主張しすぎることなく、食材の色や味わいを引き立てるのが大きな魅力だ。 醤油ソムリエールは、白しょうゆをどんな家庭料理に使うのだろうか。 「白しょうゆと最も合うと思うのが、茶碗蒸し、だし巻き、卵かけごはんなど卵を使った料理です。黄色がきれいに仕上がり、卵の甘みも感じられます」 「和食の王道メニューに使うと、洋風な印象の味に仕上がります。たとえば、肉じゃがを作る時に、濃口などのしょうゆを白しょうゆに替えると、まるで隠し味にスパイスを入れたり、コンソメを使ったりしたかのようなおしゃれな味わいになります。食材の甘みも引き立ててくれます」 もっと手軽に取り入れるなら、和えものがおすすめという。 「ハクサイ、キャベツ、タマネギなど好みの生野菜を塩もみして、白しょうゆをかけるだけ。寒い季節なら、塩もみでなくゆでてもいいですね。こちらは、肉じゃがに使うのとは違って、自然になじむ味です。鍋料理の機会が増えるこれからの季節は、ポン酢しょうゆを作る場合に果汁と白しょうゆを1対1の割合で使うのもおすすめ。ゆずなどの果汁の色に仕上がるので、見た目が『かわいい』と好評です」 用途は和食だけにとどまらない。 「シチューやペペロンチーノなどの洋食、また中華料理にも隠し味として使えます。しょうゆの印象を出すことなく、料理の味を深めてくれます。白しょうゆは気軽に使える料理の幅が広いんですよ」 また、一口に白しょうゆと言っても、蔵ごとに味や香りが異なるのもおもしろいところだ。碧南市内にある白しょうゆの蔵は、昔ながらの木桶で仕込む「ヤマシン醸造」、有機白しょうゆや白だしで知られる「七福醸造」、大豆を使わず小麦の甘みを追求した「しろたまり」を手がける「日東醸造」の3つ。それぞれの味や香りを比べたり、料理によって使い分けたりするのもいいだろう。
愛知県内での弁当販売や、蔵見学のオンラインツアーを実施
地元以外にあまり知られていない隠れた名産品、白しょうゆ。その魅力に触れることができるのが、まもなく碧南市を中心に開催される「『白しょうゆの可能性に挑戦!どこまでかもしだせる?』白しょうゆ生誕200年 磨き上げ事業」の数々のイベントだ。 県内の駅などで有名和食料理人や地元和食料理人がそれぞれ監修した白しょうゆ弁当の販売、碧南市内でプロの白しょうゆの料理への生かし方を学べる料理教室の開催、自宅にいながら碧南市にある3つの白しょうゆの蔵元を見学できる「オンラインツアー」の実施など、盛りだくさんの内容となっている。11月21日午前10時からは、碧南市内の明石公園でマルシェが開かれ、白しょうゆを使った料理を試食しながら、買い物ができる。イベントによっては、事前申し込みが必要なものもある。詳細は、碧南市観光協会および名鉄観光サービスのホームページで確認できる。 イベントを主催する碧南市観光協会の後藤さんは「この機会に、私たち市民が慣れ親しんできた白しょうゆの魅力に、たくさんの人が出会ってほしい」と話している。 (南由美子/nameken)