衆院解散 岸田首相が会見(全文3完)選挙だけで3分の2を確保する考え方は無理がある
産業界とどう足並みをそろえて脱炭素社会を目指すのか
ブルームバーグ:ブルームバーグの延広と申します。脱炭素に関して、産業界の懸念への対応について特にお伺いしたんですが。例えばトヨタ自動車は雇用の面からも、EV一辺倒の政府の方針に対して異論を唱えているわけなんですが、総理としては、産業界とどう足並みをそろえて脱炭素社会の実現というものを目指していかれるおつもりでしょうか。 岸田:2050年カーボンニュートラルをはじめとする大きな目標を堅持した上で、先ほど言ったエネルギー政策をしっかり進めていく。そして二酸化炭素、地球温暖化ガス抑制に努めていく。こういったことでありますが、このこと自体、現実を考えた場合に大変な努力が必要とされますし、簡単なことではない。多くの関係者の皆さんに協力してもらわなければいけない、こういった課題であると認識をしています。 そして自動車産業ということを考えても、全国で雇用550万人といわれる大変巨大な産業です。この産業がどうなっていくのか、これは多くの国民の皆さんにとって切実な問題であると思っています。おっしゃるように、電気自動車化がいっぺんに進んで物事が変わる、それで良かったというような単純な話ではない。今、生活している多くの方々、雇用されてる方々がどう生きていくか、これを考えていかなければならない、こういったことだと思います。 そしてその際に、これは大きな流れとして、電気自動車をはじめ、さまざまな新しい技術が導入されていくと思うんですが、新しい技術の導入、要は温暖化対策っていうのは決して経済の抑制要因ではなくして、経済を成長させるエンジンになるんだという発想で、新しい技術を使って経済を発展させ、雇用を吸収していく、こうした発想を持っていくことが大事だと思っています。
前向きな発想でさまざまな努力を
ぜひ、温暖化対策を進めることによって優れた技術を活用して、それによって国際競争力を付け、そしてそれによって働いてる方々の不安にも応えていく、こうした前向きな発想。要は温暖化対策やると自分たちの働く場がなくなってしまうんではないかという発想ではなくして、こうした新しい技術を持って経済を、国際競争力を大きくしていく、そのことによって雇用をしっかり吸収していく、こうした前向きな発想でさまざまな努力を続けていくことは大事なのではないかと思います。 自動車産業。この間も車座対話の中で、自動車産業っていうことですと、自動車整備業なんて、皆さんもガソリン車がなくなったらどうなるんだというようなことも言っておられました。こうした現実にどう向き合って前向きな答えを出せるのか、政治としてもしっかり責任を果たしていきたいと思ってます。 司会:それでは大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。では杉本さん。