小池都知事が定例会見2018年7月27日(全文1)「東京は金持ち」は妥当でない
都は引き続き47都道府県で唯一の交付団体
それから平成30年度の普通交付税の算定結果が出ましたのでお知らせをいたしておきます。先日、この算定結果、総務省より発表されたわけでありますけれども、都は引き続き47都道府県で唯一の交付団体ということになります。いつの間にかほかの自治体が、不交付団体から交付団体になっているという、これもある意味驚きかと思いますけれど、で、数年前からではありますけどね。で、地方交付税に頼らないで自らの財源で自治体運営を行うということのできる不交付団体っていうのは、現在78団体でございまして、10年前と比べますと半減であります。これはあえて申し上げると、いわゆる対症療法的に対策をしてきた結果であって、実は地方創生、地方分権、いろいろ言葉があっても問題の解決にはつながらないという何よりの証左ではないかと、このように思います。 それからもう1つ強調したいことは、この交付税の算定上の財源超過額、これを見ると、ああ、都には財源にずいぶん余剰があるんですねという説が出てくるわけではありますけれども、そうではなくて、きのうの全国知事会でも発表させていただきましたが、財源超過額というのは地方交付税を配るために国の物差しで測った理論値であって、実態とは違うということであります。で、実態と乖離している理由を申し上げますけれども、交付税の算定上はほとんどカウントされない支出があるんですね。例えば待機児童対策など、国の基準を超えて行う都独自の対策であったり、それから都市型水害への備えなど、各自治体特有の対策であったり、それから一番分かりやすいところでは、東京2020大会の開催準備ですね。これまで標準的な行政サービスを超える取り組みというのは、それらはほとんどこの計算の中では支出として認められていない。今、申し上げた、3つの例を申し上げましたけれども、これだけで約3600億円に上っております。 それから、また支出としてカウントはされるんですが、その算出の方法が適切とはいえない支出もございまして、例えば国の物差しでは318万人に及びます、区部から区部の昼間流入人口に対して上限値が設けられていて、72万人分しかカウントされておりません。それが金額にしますと約6000億円という数字になりまして、先ほど申し上げた3000億超の分と、こちら、6000億と合わせただけで、約1兆円の乖離が生じているわけであります。よって、交付税の算定上の財源超過額をもって、先ほどの1兆1600、幾らでしたっけ。1兆1687億円、ああ、東京はお金持ちですねという主張は、決して妥当ではないということであります。このような誤った認識に基づいて、東京を標的とした不合理な税の見直しがなされることがないように、都として必要な主張をしっかり、展開をしてまいりたいと、こう考えております。