小池都知事が定例会見2018年7月27日(全文1)「東京は金持ち」は妥当でない
知事会で税財政での東京一極集中の是正を提案
3本目でありますけれども、ご承知のように昨日は全国知事会に私、まいりました。そして特に税財政の問題に関しましては、私からいわゆる東京一極集中の是正という提案がございますけれども、都としての考え方を申し述べてきたところでございます。東京への集中、集積が地方の活性化を阻害するような、そのような提言案でございますが、その主張に対しましては東京都が力強い牽引役となってこそ日本全体の成長を目指せると。そして日本の各地域が自らの権限と財源で真の地方創生を推進すること、その両方が重要だという点を強調させていただきました。また、日本全体の発展のために地方分権の理念の下において、地方の役割に見合った税財源の拡充を図る必要がございます。 限られた財源を、パイを奪い合うという、対症療法的な姿勢については断じて賛成できないということも申し上げました。東京対地方、東京も地方なんですけどね。東京対地方で、この引っ張り合いをやっていると、結局のところ今何が起こるかというと、じゃあ海外行こうという話になってしまうので、ゲームがまったく変わってしまって全体としての日本の存在ということがかえって阻害されるということに気が付かなければならないと、そういうことも知事会のほうでは申し上げてきたわけでございます。で、これらのことをきちんと申し上げることは申し上げて、知事会の提言案のほうには税財政の部分で4年ぶりですけども都の意見を反映することができたと、このように思います。いずれにしましても、都としての考え方をしっかりお伝えしてご理解いただくということが、まずはできたものと考えておりますけれども、これからも引き続き都民の皆さんにもこういったことについてお知りいただけるような工夫もしてまいりたいと思います。 それから今回の全国知事会において、この記者会見でも何度か申し上げておりますが、大阪北部の地震の際にブロック塀が壊れて、そして女の子が残念ながらお亡くなりになったという事案がございました。これをベースにあらためてブロック塀を木材にしたらどうかと。もちろん不燃がどこまで保てるかとか、どこに建てる、どこだったらいいのか、どこだったらふさわしくないのか、いろいろ検討しなければなりませんけれども、ポイントは木材の需要を確保するということ、需要をつくることによって、まさしく治山、山の活性化ということにつなげていくという、風が吹けばおけ屋がもうかるではありませんけれども、そうやって国産の木材を活用、積極的に推進するということを提案させていただきました。 結果といたしまして、そのためのプロジェクトチームが全国知事会の中に設けられることになって、本日の会議でご了承、全国知事会でそれが設けられるということになったわけであります。で、ブロック塀の代替など、国産木材の幅広い活用策を全国知事会で検討するということは、国産木材の需要と供給の好循環を生み出すと思います。そして森林の再生、そして治山の取り組みを進めることになって、これこそが共存共栄という形になる。そして他県の知事の皆さんもぜひこの件については一緒に取り組んでいきたいという声があちこちから上がったわけでございます。こういう形でお互いがうまく、得意範囲が生かせ合うという、そのような図式をぜひこの全国知事会で、なんか戦い合って奪い合うのではなく、むしろ本当の意味で日本の持てる力をお互いに生かし合うというような方向性を確立できればと、このように願っております。