カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任、グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明
グリーンピース・ジャパンの調査によれば、タリーズの店内飲食におけるリユース比率も2023年の12%から2024年には7%に低下した。スターバックスと比べてもリユース率は低く、取り組みの遅れが目立つ。 グリーンピースの推定結果についてタリーズの広報担当者は、「実際とは異なる」とし、「リユース率は大きく向上しているとは言えないが、少なくとも後退はしていない」と反論する。そのうえで「(店内飲食では)マグカップ、グラスマグの利用の促進に努める」と回答した。
プロントでは2024年の店内飲食のリユース比率は42%と3チェーンのうちでは最も高い。しかし、ドトールコーヒーショップやコメダ珈琲店の各77%、100%(2022年調査)と比べると見劣りする。というのも「プロントでは、店内で冷たい飲料を提供する場合にプラスチックの使い捨てカップが主流となっているためだ」(大舘氏)という。 こうした指摘の当否について、運営会社であるプロントコーポレーションは直接の回答を避けている。そのうえで「引き続き、環境に配慮した資材の採用などに取り組む。発表できる取り組みや成果が出てきたら、改めてお知らせする」(広報担当)という。
店内飲食と比べて、使い捨て比率が圧倒的に高いのがテイクアウト(持ち帰り)だ。これは、カフェ、コンビニとも共通している。カフェチェーンでは、スターバックスがステンレス製の容器を客が借りて飲んだら返して再利用するシェアリング型のリユースシステム「Re&Go」(リーアンドゴー)を都内や愛知県の38店舗で導入しているが、全体の店舗数である1986店舗(2024年9月末)からすればごく一部だ。 スターバックスでは今年6月、38店舗の店長が集い、「借りるカップ 店長サミット 2024」と称する社内イベントを実施した。
このイベントに登壇したスターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEOは「リソースポジティブカンパニーを目指し、廃棄物などを削減するうえで『借りるカップ』はとても重要。リユースの文化をスターバックスがリーダーシップをもって日本でさらに広めていくことはとても意味がある。ぜひ挑戦していきたい」と前向きな姿勢を見せた。 だが、借りるカップは2021年11月の開始から3年が経過しているのにいまだに実証実験にとどまり、大規模な店舗展開に至っていない。その理由についてスターバックスコーヒージャパンは明らかにしておらず、リユースをどう拡大させていくか、その方針が不明確だ。