カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任、グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明
タリーズはテイクアウトでの取り組みでもこれといったものは見られなかったが、「現在、新たなリユースの仕組みを構築中」(広報担当者)だという。また、「創業当時から推奨してきた客のタンブラー利用の推奨にも努める」(同担当者)とする。 ■桁違いに多いコンビニのごみ排出量 コンビニ各社の使い捨てカップのごみ排出量は、カフェチェーンと比べても桁違いに多い。しかも、“脱使い捨て”に向けた対策があまり進んでいないのが実情だ。
セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスの広報担当者は、東洋経済に対し「プラスチックが環境に与える影響は大きく、企業としてプラスチック削減と回収リサイクルによる資源循環をより進めていく必要がある」と答えた。そのうえで、「商品設計の段階からリサイクルを前提とする環境配慮設計を推進している」という。 同社はさらに「資源の有効利用のためには、リユースよりもお客様と一緒に取り組む資源循環が有効な手段と考え、ペットボトルについては店内回収機を約4000店に設置し、ボトルtoボトルのサーキュラーエコノミーを進めている。また、容器トレイについても横浜市内の一部の店舗で資源循環のテストを実施中」だとする。
リユースよりもリサイクルなどの資源循環が有効な手段と考える理由については、「リユースはプラスチック削減には有効な手段ではあるが、お客様に安全・安心にご利用いただくためには、リユースカップの提供、回収・洗浄、それに伴う衛生面の担保など、課題も多いと認識している」(セブン&アイ・ホールディングスの広報担当者)。 この点では、グリーンピース・ジャパンの主張とは大きく異なっている。 ファミリーマートはグリーンピース・ジャパンが推計したカップの使い捨て総量について、「(先方が)独自に集計した数値であり。実際の数値とは乖離がある」とする。
そのうえで「容器包装における環境負荷軽減への対応は、非常に重要であると捉えている。当社のオリジナル商品は、紙などの代替素材や植物を原料としたバイオマスプラスチックなど環境負荷の少ない素材への切り替えを進めている」(ファミリーマートの広報担当)という。なお、リユースに関する言及はない。 コンビニの国内総店舗数で業界3位のローソンは、これまでリユースに取り組んできた。2022年4月から今年2月までの間、前出のRe&Goの仕組みを活用した、リユースカップでの提供の実証実験に都内の延べ約20店舗が参画してきた。