カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任、グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明
世界中でプラスチックによる環境汚染問題が深刻化している。日本を含む世界各国は2024年11月25日から韓国の釜山で、プラスチック汚染問題に歯止めをかけるための国際的な条約の策定に向けた交渉を続けている。 そうした中、日本では、カフェチェーンやコンビニエンスストアから膨大な量のカップ(飲料容器)の使い捨てが発生している実態が明らかになった。 国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが、3つの大手カフェチェーン(スターバックスコーヒー、タリーズコーヒー、プロント)、および3つの大手コンビニエンスストア(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)を対象に、イートイン(店内飲食)およびテイクアウト(持ち帰り)に際してのコーヒーなどのカップの使い捨ての状況を独自に調査した。 【図で見る】カフェチェーンやコンビニ「使い捨てカップ」の実態は?
その結果、カフェ・コンビニ6チェーン合計でカップの使い捨て個数が年間24億個を上回り、ごみの総量が2万5000トン近くに達するという推計結果が明らかにされた。 調査に従事したグリーンピース・ジャパンの大舘弘昌・プラスチック問題担当は、「大手カフェチェーン、コンビニとも、使い捨てを前提としたビジネスモデルに依拠している。環境負荷を低減するためにも抜本的な見直しが必要だ」と指摘する。 ■カフェ、コンビニの使い捨て実態調査
グリーンピース・ジャパンは今回、飲料カップに関して2つの調査を実施した。1つは使い捨てカップの消費量の実態調査だ。これは2022年から継続的に実施しているものの最新版で、従来のカフェチェーンを対象とした調査に加えて、今回はコンビニチェーンも調査対象に追加した。 もう1つが、使い捨てと、容器を洗浄して繰り返し利用するリユースを比較した場合の、二酸化炭素(CO2 )排出量や水の使用量、化石燃料の使用量などの環境負荷の比較だ。後述するように、いずれもリユースのほうが大きく勝っているとの結果が出た。