カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任、グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明
これとは別に、グリーンピース・ジャパンは、コンビニで売られているおにぎり、寿司、弁当容器の包装材料の消費量についても実態調査のうえで試算した。 飲料カップについて実際にどのような調査をしたのかを見てみたい。 「カフェ、コンビニチェーン各社ともごみの発生量を公表していないため、売り上げ情報などの公開情報をベースにしたうえで、専門の調査会社からマーケットシェアなどのデータを入手。さらにスタッフによる店内での調査を実施し、店内飲食や持ち帰りでどのくらいの割合で使い捨てカップが使用されているかを推計した」(大舘氏)
その結果、スターバックスなど3つのカフェチェーンでは店内飲食においても多くが使い捨てカップで提供されているといった実態が明らかになった。グリーンピース・ジャパンの調査結果によれば、店内飲食におけるマグカップやグラスでの提供を示したリユース率は、スターバックス、タリーズ、プロントでそれぞれ24%、7%、42%。言い換えると、各チェーンとも店内飲食での飲料の多くを使い捨てカップで提供していることを物語っている。
調査結果の妥当性を確認すべく、東洋経済記者は東京都内のターミナル駅近くにあるスターバックス、タリーズなどの複数の店舗で、店内飲食でのカップの提供状況を調べてみた。 東京北部のあるターミナル駅近くのスターバックスの店舗は、休日の日中でもあり、多くの来店客で混み合っていた。ここでホットコーヒーを注文したところ、「店内用のマグカップでご提供しますがよろしいでしょうか」と聞かれた。2023年も同様に尋ねられており、この店舗ではリユースの取り組みが定着していることがわかった。
他方、都心部のターミナル駅内の店舗では、ほぼすべての客に対しアイス、ホットともに、使い捨てカップで提供されていた。この店では注文時には何も聞かれず、接客では使い捨てカップの提供が標準になっていた。このことは2023年に調べたときとまったく変わっていなかった。 タリーズでも状況は似通っていた。都心の別のターミナル駅の駅前の店舗でホットコーヒーを頼んだところ、何も聞かれずに使い捨てのカップで提供された。この店舗ではドーナツや食事とのセットなど、多くの場合で使い捨てカップが用いられていた。