“教育格差”是正に向けた1つのヒント 個別指導型オンライン学習のメリデメ
(1) 小学3、4年時に習熟すべき分数や小数の概念や計算を中途半端な理解、もしくは理解ができないまま、進級する。自分の弱点を認識しながらも塾に通えず、克服の機会がない。そして誰にも相談できないまま毎日を過ごす。 (2) 新たな単元の授業が始まり理解できない内容が増えていくが放置されたまま小学校を卒業し、中学に進学する。 (3) 学級崩壊が起きた場合も子どもにとっては休校と同様のダメージになり得る。学校が積極的に問題に取り組まないまま時間が経ち、そのうち担任や担当教員が何事もなかったように替わる。 (4) 徐々に高校受験を意識し始めるがそもそも成績が良くない、もしくは勉強嫌いを公言しているため、親にも期待をされない。因数分解の式を見るだけで頭が痛くなる自分は、頭が悪いと思うようになる。そして、親から「バカ」呼ばわりされている場合も多い。 (5) 自暴自棄となって本当に勉強が嫌いになり、快楽志向となる。 以上、概ねこのような流れで子どもは「わからない→できない→嫌い」のサイクルにはまり、勉強アレルギーを醸成していくのだ。
教育は“子どもファースト”のはずなのに……
教育格差が社会的課題とされる理由は将来の所得格差に直結するためと考えられている。しかし、家庭内不和や学校でのいじめ、親からのネグレクトなど当人では解決できないような劣悪な学習環境が子どもの気力を奪ってしまい、結果的に基礎学力に差がついてしまうこともある、という前段部分も決して見逃してはならない問題だ。 今回の休校措置の期間が数か月の話だからと侮るべきではない。学校ファーストで動いている大人の事なかれ主義体質の犠牲になるのも、コロナで増加したとされている家庭内不和やDVのしわ寄せも、他でもない子どもたちが被害を受ける。教育は本来、“子どもファースト”であるはずにも関わらず。
学習内容が難しさを増す小学校3年生以上を精神面でも学力面でもフォローすることが、学力の底上げにとって重要なことは言うまでもない。例えば今年小学3年生の子どもが高校受験を迎える時期を想定すれば、期間にして約6年以内に、彼らの心にいかにして寄り添い、学習環境へのフォローアップシステムを確立できるかが鍵となる。 当塾では既にその準備を始めている。と同時に、国の対応も注視していきたいと思う。