ゆとり先生の教育提言(2) 臨時休校、高校生はどう過ごす? どう過ごせる?
岡山県の私立高校の教員として16年間勤め、4年前から高校生の学外活動支援や、塾経営などにいそしむ野村泰介さん(42)。今回は、詰め込み型の偏差値を追う教育と一線を画し、生徒の自主性を重んじる「真のゆとり教育」を追求する野村さんに、新型コロナウイルスによる一斉休校時に高校生がどのように過ごしているのか、またどのように過ごすことができるのか、について考察してもらいます。 *****
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全国ほとんどの学校が休みになり「一斉休校」状態になりました。休校の是非はともかく、突然「学校に行く」という日常が消えてしまった子どもたちは急に降ってきた「長期休暇」をどのように過ごしているのでしょうか。学童保育の在り方などを含め小学生の過ごし方は多く報道されていますが、高校生のことはほとんど伝わってきません。そこで今回は、私が運営している高校生のための自主活動団体「#おかやまJKnote」の活動を中心に紹介していきます。
オンライン授業はあるけれど……
休校が始まってすぐ、全国多くの学習支援事業者がオンラインによる教材を無料開放する動きが見られました。また、インターネットによるオンライン会議システムを使った遠隔指導の様子もニュースになりました。学校が休みになり学びの機会が失われる生徒たちのためにスピーディーに動く様子に意気込みの強さを感じました。 では、当の生徒たちはどう受け止めたのでしょう? 緊急で20人近くの高校生の話を聞きましたが、ホンネは「長い休みでラッキー!」というものがほとんど。「この休み、何をするの?」と聞くと、「カラオケ、ライブ、ゲーム、寝る」と、何とも「フツーの生徒」らしい言葉。オンラインの学習教材がタダで使えるよ?との問いには「そんなんするわけないよ。やらなくても先生に怒られないし」「自分からオンライン使いこなせる子は学校あってもなくてもデキる奴なんよなー」と。