スポーツジム、営業再開続々 コロナ対策は? 今後の活路は?【#コロナとどう暮らす】
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出された政府の緊急事態宣言が解除され、さまざまな業界で営業が再開しています。クラスター(集団感染)の発生が報告されたスポーツジムもその一つ。業界団体が感染症対策のガイドラインを策定し、各運営会社が全国的に事業を再開しています。一方、Yahoo!ニュースの「私たちはコロナとどう暮らす」特集にも「スポーツジムに行っていいものか、悩んでいます」と心配する声も寄せられています。各店舗ではどのような工夫をしているのでしょうか? また、業界団体も利用者減を見込む中、各社は今後どのように活路を見い出すのでしょうか?
営業再開も利用者閑散
「これだけしか利用者がいないのか」 6月上旬、取材班の1人が通い慣れた東京・八王子のスポーツジムを訪れると、トレーニングルーム内の景色は休業前と一変していました。 平日の夜。勤務を終えた利用者が多く訪れる混む時間帯で、以前なら40台ほどのランニングマシンがほぼ満員状態でしたが、この日の利用者は4人ほど。「マシンは1台ごとに使用不可で、同時使用できる人数が限られている」と事前に施設側から聞かされていたため順番待ちか、と覚悟していたものの、予想は外れました。ヨガやフットサルなど集団を対象としたレッスンはまだ再開されておらず、施設全体も閑散としていました。 スポーツジム運営会社や関連企業190社が加盟する日本フィットネス産業協会の松村剛事業統括マネージャーは営業再開について「ゴールではなく、むしろスタートラインに立ったところ」と指摘。「もともと通っていた利用者のなかにはそのまま離れていってしまう方もいるかもしれません。また、ご本人が行きたくとも、家族に止められるケースもあると聞いています」とも語り、再開したとはいえ今後の業績についてはシビアに捉えています。
店舗休業、収益に打撃
緊急事態宣言中、スポーツジムは各都道府県の知事の判断の下、休業要請の対象となりました。国内ではクラスターの発生事例もあり、西村康稔経済再生担当相が再開にあたり「相当注意を」と呼び掛けた「4業種」の1つです。 28都道府県で直営179店舗を展開するコナミスポーツは、4月8日から緊急事態宣言の対象となった7都府県を含む12都府県内の店舗を休業。その後も同宣言の対象拡大などを受けて範囲を拡大し、5月1日の岩手県内の店舗休業をもって全店が休業に入りました。休業中は利用者から会費を取らなかったといい、同社の広報担当者によると、具体的な数字は言えないものの売上への影響は否めないとしています。 トレーナーがマンツーマンで指導するジムを展開するRIZAPグループも、4月9日から7都府県内の83店舗を皮切りに各地の店舗を順次休業とし、4月24日には全店舗が休業となりました。休業は業績を直撃。2020年3月期の連結決算は純損益が60億円の赤字となりました。なお、休業を受けて、全利用者に対してトレーニング期間を1か月無料で延長しました。