立憲・枝野代表が外国特派員協会で会見(全文1)1年延期か中止かIOCと交渉すべき
日本の社会には司令塔が存在しない
枝野:全体を通じてのことから申し上げると、少なくとも20世紀に入って以降の日本の社会は、ストラテジーと、それからロジスティック、そしてそれをマネジメントする司令塔が存在をしない。これがまさに先ほど申しましたとおり、70、80年前の大日本帝国大本営に象徴されている状況は、今も変わっていなかったということだと思います。 その上で1個ずつ申し上げると、まずPCR検査については、厚生労働省の所管である国立感染症研究所が、一種、自分の仕事であり自分の権限だということで、他の研究機関とか大学など、それから民間などに、少なくとも政府の関わるPCR検査への関与を避けてきたというのは、さまざまな状況証拠がかなり明確にもう積み重なっていると思っています。ただ、感染研の責任というよりも、それでは駄目だということを明確に指示しなかった政治の責任だと思います。 病床については、逆に厚生労働省が、それは都道府県の仕事だといって逃げ腰であった。同時に、こんなもんはまず、とにかく協力してくれたら、金に糸目は付けず、どんと出すからという、まず大方針を出さなきゃいけないのに、その金をけちった。この2つが病床の転換が進まなかったことだと思います。 ワクチンの接種は、昨年の10万円の現金給付で、あれだけの自治体が混乱をしたことを考えれば、ロジスティックが最大の課題なんていうのは、そこで気付かなきゃいけない話なわけですが、ワクチン接種の直接の所管である厚生労働省と、自治体を所管する総務省との間で、やはり総合的な検討や準備がまったくなされていなかった。これもやはり司令塔がないから。総合的なストラテジーがないからということだと思います。 枝野政権では、もちろん総理をトップに官房長官の直轄で、各所局長クラス以上、厚生労働省については次官級の、常駐のチームを編成します。そしてそこが総合司令塔になって、そこで全体調整しながら、各省庁などの現場を動かす。こういう強力な司令塔をつくります。すでに準備をしています。