立憲・枝野代表が外国特派員協会で会見(全文1)1年延期か中止かIOCと交渉すべき
立憲民主党の枝野幸男代表は11日午前、外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を行った。 【動画】立憲・枝野代表が外国特派員協会で会見(2021年6月11日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「立憲・枝野代表が外国特派員協会で会見(2021年6月11日)」に対応しております。 ◇ ◇
『枝野ビジョン』という本を出版
枝野:はい。すいません、日本語で失礼をいたしますが、今日はこういう機会をつくっていただいてありがとうございます。5月20日に今ご紹介いただきました『枝野ビジョン』という本を出版いたしました。これは2014年の初めぐらいから書き始めたものであります。2012年の暮れに下野、野党に転落をして、いずれは最大野党のリーダーを目指し、その上でもう一度政権を目指そうと。そこに向けて、目指す政権はどういう社会をつくろうとしているのか、どういう考え方に基づいた政権をつくろうとしているのか、そのことを自分自身でも整理をしておかなければならないと思いましたし、どこかでまとまった形で世の中に示したいということで書き始めたものです。 本当は野党のリーダーを目指す段階で世に示したかったんですが、それが間に合わずに今に至りましたが、野党のリーダーとして政権を選択、政権選択を訴える総選挙を直前にして出版が間に合ってほっとしているところです。書いてある中身は、私が従来いろんなところで発言をしてきたその集大成であります。この10年近くの間、私の発言を追い掛けてこられた皆さんにとっては、本を読んでもあまり目新しいことはない確認、そして全体が整理されたねというような中身です。
日本のCOVID-19対策は根拠なき楽観論に基づく
この本を読んでいただいた地元・大宮で長く私を応援していただいている支持者の皆さんの中から、枝野さん、20年前に聞いた話と同じことを言って、書いてくれて、安心したと言っていただいたという中身です。中身について話しだすと1時間ぐらい欲しいですし、ぜひ日本語のできる方は買って読んでいただければありがたいんですが、一言で申し上げたいと思います。この間、跳梁跋扈していた新自由主義がもう時代遅れになったということ。産業革命以来の規格大量生産が単純に豊かさをもたらす時代が時代遅れになったということ。従って所得の再分配や、エッセンシャルワークの充実が社会と経済の発展にとって決定的な重要性を持った時代に入り、そういう社会をつくっていきたいということ。 象徴的に申し上げますと、アメリカでバイデン大統領が就任をしての就任演説と、私、英語できませんので日本語に訳されたものを読ませていただいて、私がずっと言ってきて、この本にも書いたほぼ同じ方向性をアメリカの大統領がおっしゃっていると。時代が私に追い付いていただいたなと喜んでいると、そういう中身です。 先日、法人税の最低税率についての国際合意ができました。このことなどが象徴的に表していますが、世界が私が本で書いたような方向に明確に転換を始めていると。日本もそれに遅れてはいけないということで、この本に示した社会、経済をつくっていくことの重要性を痛感しているところです。 あと冒頭の発言で、特派員の皆さんが特にご関心の高いCOVID-19とオリンピックについて若干触れたほうがいいとご指摘をいただきましたので、触れたいと思います。日本のCOVID-19対策は一貫して根拠なき楽観論に基づいている。正常性バイアスに基づいたものであるということで、結果的に混乱と、それから遅れというものが繰り返されてきたと評価をしています。 特にワクチンの遅れは決定的な失策だったと思っています。ワクチンの量の確保はめどが付いているようでありますが、本当に政府の示しているようなスピード感で国内での接種が進むのか。日本は1945年に至る日米・日中戦争のときにも示されたとおり、ロジスティックという概念と能力に決定的に欠けている。少なくとも日本の政府は欠けているという状況の中で、強く危惧を、そのロジスティックを危惧しています。