北朝鮮、コロナ以降に増えた離婚抑止策として「1~6ヶ月の強制労働」が決定
この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 【写真】『イカゲーム』の非情な女たちが物語る、現代の韓国社会とは? 北朝鮮ではコロナ以降、離婚が増加傾向にある。この流れを食い止めようと、北朝鮮当局は離婚した男女に強制労働を課すという過激な手段に出た。 平壌で離婚した場合、「罪を償う」ためにふたりとも1カ月から6カ月間、強制労働に従事することになる。少なくともラジオ・フリー・アジア(RFA)が北朝鮮で取材した限りはそのような話だった。朝鮮北部の両江道(リャンガンド)に住むある住民は、安全上の理由から匿名を条件に、韓国RFAに次のように語った。「金正淑(キムジョンスク)郡の人民裁判所で12名が離婚判決を受け、その直後に全員が郡の労働鍛錬所に移送されました」 北朝鮮では離婚はよく思われず、「反社会主義的行為」とみなされている、とRFAは書いている。しかしながら2020年以降、離婚件数は急増しているそうだ。コロナ禍とそれに伴う経済危機により、仲がこじれる夫婦が増えた。
実刑判決の増加
この流れを食い止めるため、北朝鮮当局は締めつけの強化を決定した。これまで北朝鮮では離婚を申し出た配偶者のみが、たとえその者が家庭内暴力の被害者であろうと処罰されていた。今後はそうではない。 「昨年までは、離婚を最初に申し出た者だけに強制労働が課せられました」と、先の住人は語る。「今月からは、離婚した夫婦共に強制労働へ送られることになりました」
離婚を減らすための措置
2023年3月、RFAは北朝鮮が離婚を防ぐための教育プログラムを女性対象に開始したと報じた。北朝鮮における最大女性組織である朝鮮社会主義女性同盟の加入者を対象に、「離婚という現象を完全になくし、社会の細胞である調和のとれた家庭を築こう」というテーマで講演が行われた。その他、離婚者の親や、労働者の離婚率が高い会社の上司を公然と辱めるといった措置が取られた。 しかし、離婚率が大きく下がることはなかった。RFAが北朝鮮の情報源から得た証言によれば北朝鮮当局は現在、より懲罰的な措置を志向している。たとえば、公務員が離婚すると朝鮮労働党から除名され、より良い教育、住宅、雇用へのアクセスなど、関連するすべての利益を失う可能性がある。