初選出の柿谷はザックJに生き残れるのか?
サッカーの東アジアカップ(7月20日から韓国で開催)に臨む日本代表メンバー23人が15日、日本サッカー協会から発表された。今回は海外組が招集できず、3戦全敗に終わった先のコンフェデレーションズカップのメンバーから19人が入れ替わり、内10人が初選出となった。その中に招集への待望論が高まっていたFW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)の名前があった。 東京・文京区のJFAハウスで記者会見に臨んだアルベルト・ザッケローニ監督の口から「カキタニ」という固有名詞が飛び出したのは、「トップ下ができる選手は広島の高萩くらいとなるが」という最初の質問に対する答えの中だった。 「山田もトップ下ができると思っているし、柿谷もできると思っている」 セレッソでワントップを務め、J1の得点ランクで4位タイとなる10ゴールをあげている柿谷について, ザッケローニ監督はさらにこう続けた。 「サイドができるかどうかは現時点で分からないが、能力的にはできると思う。この間の試合を見たが、今のセンターフォワードのポジションで、相手のDFラインの駆け引きを含めて非常に成長している。(代表では)現在のセンターフォワードのポジションで見るのが適切ではないかと思っている」
セレッソや2011年シーズンまで期限付き移籍していたJ2 の徳島ヴォルティスでは、トップ下や中盤の両サイドとしてプレーした経験がある。ザッケローニ監督は、選手選考において複数のポジションをこなせるユーティリティー性を重視する。東アジアカップでも「4‐2‐3‐1」のフォーメーションを採用する予定で、そのワントップと2列目、合わせて4つの攻撃的なポジションを任せられる柿谷は、今回招集されたチームにおいて、まずは、試合出場のチャンスをもらえるひとつのアドバンテージを獲得したことになる。 もっとも現時点でザックジャパンの攻撃陣の層は厚い。本田、香川、岡崎の3人はよほどの故障がない限り不動だろうし、ワントップを務める前田遼一(ジュビロ磐田)への信頼も厚い。来年のブラジルW杯までの代表ザバイバルの中で、そこに柿谷が割って入るのは簡単ではない。 実際、ザッケローニ監督自身も、次のように公言してはばからない。 「フル代表のメンバーに入ってくるのが難しいと言われる点については、ポジティブにとらえたい。特に前線のメンバーは実力を備えた、能力の高い選手が多い」