仕事と子育ての完璧な両立はあり得ない 三男一女を東大理Ⅲに進学させた佐藤ママと研修医になった長女が語り合った「女性のキャリア」
働き方やキャリアに対する意識が多様化する中、子育てをしてきた親世代とこれから社会に出る子世代の認識にはどんな違いがあるのか。専業主婦として4人の子を育てた母と研修医として働く娘に話を聞いた。AERA 2024年12月2日号より。 【図表を見る】「女子学生が希望する世帯スタイル」はこちら * * * ――「専業主婦」の道を極め、3男1女を東大理3に合格させた佐藤亮子さん。現在大学を出て、研修医として働いている末子の長女と「専業主婦」「働く女性」について語ってもらった。 佐藤:私はずっと「子育ては18歳まで」と思ってやってきたんです。だから子どもたちが大学に入ってからは時々会うことはあっても就職はどうとか一切口を出さなかった。18歳までの子育てが大変だったので、もう子育てはおなかいっぱいなんです。 長女:昔を思い出すと、お母さんはいつも家の中をバタバタ走っていたイメージだったかな。 佐藤:そうそう。そんな広くない家だから走る必要ないのにね。いつも次にやることに向かって走っている感じだったわね。 長女:私自身は母をずっと見ていたので、専業主婦が暇だとは全然思ってなくて。むしろ忙しい、と思ってました。それに私の周りにはあまりバリバリ働いている女性がいなくて、母が一番わかりやすいロールモデルだったので、小さい頃は私も専業主婦になりたいと漠然と思っていました。母は毎日楽しそうだったから。 佐藤:それ、大学生の時に進学塾「浜学園」の先生に言ったことあったじゃない? 浜学園の先生方には全力で止められていた。せっかく東大理3に行ったんだから、って(笑)。私自身は、子どもたちがやってみたいと思うことを全力でサポートしたいと考えていたので、勉強じゃなくて他の才能があればそれでいいし、専業主婦になるならそれでもいいと思ってきました。 長女:そうね。とはいえ、今は仕事を始めて2年目で、どんどん仕事が楽しくなっています。わかることが増えて、できることも増えて、多分、これから先が一番仕事が楽しくなる時だと思う。だから、今は専業主婦になることはあまり考えていないけど。