仕事と子育ての完璧な両立はあり得ない 三男一女を東大理Ⅲに進学させた佐藤ママと研修医になった長女が語り合った「女性のキャリア」
■初めて感じた男女差 佐藤:女医さんたちは大変よね。 長女:みんな悩んでいます。一口に女医と言っても、地域や病院によっても違うし、同じ病院でも科によってまた全然違うし。 佐藤:研修医が終わると、どの科に行くか決めないといけないからまた環境が変わるわね。 長女:そう。改めて振り返ってみると、私ってずっと女性が少ない環境で生きてきたんだな、と思って。中高でも、塾でも、大学でも。家の中だって兄3人だし。でも、ありがたいことに、自分が女性であることを理不尽だな、と思ったことはなかった。周りにいる女子たちはみんな芯があって、特に東大理3いた女子はみんな負けず嫌いだったな。「女子だからという理由で負けてたまるか」みたいな。「戦う女」なんですよ。 佐藤:あなただって、大学受験の時は「お兄ちゃんたちに負けたくない」と思ってやってきたしね。 長女:そうそう。「女だからやっぱりダメだったんだ」とは絶対言われたくなかった(笑)。ただ、最近初めて男女の違いを感じるようになって。 佐藤:それはどういうこと? 長女:今後どの病院に行って、どの医局に属すか。自分の将来のことを冷静に考えた時に、私は母親にもなりたいんだ、と。今まではどんなことがあっても、自分の力で何とかするぞって思ってやってきたけれど、自分の頑張りだけではどうにもならないこともあるというか。 ■完璧な両立は無理 佐藤:なるほど。 長女:大学生の時は、何歳までに結婚して、20代のうちに子ども1人産んで、子どもできたらお母さんに手伝ってもらって、とか皮算用をしていたけれど、もしかしたら留学の機会をいただいて、留学するかもしれないし、結婚できていないかもしれないし、妊娠したくてもできないかもしれないし。 佐藤:子どもは授かりものだからね。 長女:でも、母をずっとみていて、子育ては楽しそうだし、絶対やってみたいな、と思っていて。それこそ諦められない夢かもしれない。子どもを産み、育てることができるのは女性の強みだぞ、と今は逆に思っていて、仕事も子育ても両方楽しめたらいいな、と今は夢と希望に溢れているところです(笑)。