FRBハイペース利上げ観測、株式への影響は? ポイントは「積極利上げが終わるタイミング」
FRBが50bp利上げを複数回実施した後
こうした積極的な金融引き締めは金融市場(特に株式)にどういった影響を与えるでしょうか。教科書的な教えに基づくと、積極的な金融引き締めは金利上昇を通じて株価の下落を引き起こします。安全資産である国債利回りの上昇は、リスク性資産である株式の相対的な魅力を減じるからです。 もっとも、株式市場を占う上では、もう少し先の展開を考慮し「積極的な利上げが終わるタイミング」を見計らうことが重要になってきます。具体的にはFRBが50bp(以上)の利上げを複数回実施した後、「利上げ幅を25bpに戻す理由」を見つけるタイミングを逃さないことが重要です。 インフレ集中対応期間中は50bp以上の利上げが想定されますが、そうしたインフレ抑制最優先スタイルに変化が生じるタイミングで金融市場の潮目は大きく変化するでしょう。米長期金利の上昇圧力が消沈し、株式市場におカネが戻ってくると考えられます。そうした観点から当面は、サプライチェーン、住宅価格(家賃)、賃金動向及び人々の予想インフレ率を注視する必要があります。
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